2004-01-01から1年間の記事一覧

 「カウンセリング」という思考停止。

繰り返しになって恐縮だが、私は「カウンセリング」というものが嫌いである。もちろん、居場所づくりの活動において「カウンセリング的な技法」を用いる場面がなくはないわけで、それらを全否定する気などまるでない。だが、それでもそれ――相手のはなしをち…

 『現代思想』「特集:フリーターとは誰か」

現代思想2005年1月号 特集=フリーターとは誰か出版社/メーカー: 青土社発売日: 2004/12メディア: ムックこの商品を含むブログ (5件) を見る「フリーターとは誰か」という特集を、今月号の『現代思想』が組んでいます。とりあえず小杉礼子のインタビューだけ…

 きょうのできごと

おとといでわたしは、NPO活動歴5年目を迎えました。4年前の12月27日、当時まだ高校の講師だったわたしは、「得体が知れない人たち」とは思いながらも、とりあえず自分の目でその可能性を確かめてみようと考え、県内の不登校支援運動の中心で動いて…

 仙台へ

今日はこっそり休みをとって、仙台てゆーかジュンク堂書店に行ってきました。読みたいなーと思った本を合計したら軽く数万円を超えてしまったので、仕方なくその半分のみを購入して帰宅。山形市内のどの書店をまわっても置いていない新刊本、宮台真司・仲正…

 『シンセミア』/『ねじまき鳥クロニクル』

阿部和重『シンセミア』を読了。シンセミア(上)作者: 阿部和重出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2003/10/17メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 325回この商品を含むブログ (160件) を見るシンセミア(下)作者: 阿部和重出版社/メーカー: 朝日新聞社発売…

 聖霊の有無

今日は、仕事が突然キャンセルになってしまったので、山形大学図書館に入り浸って読書にはげんでおりますた。開架本がしょぼすぎて使えないとことか、利用してる学生がみんな居眠りしてるとことか、司書のおねーさんがやる気なさげなとことか、全体的にどこ…

 気がつけば

今年もあと10日足らずなのですね。どこかで焦りを感じている自分がおります。その原因を、最近までは「アウトプット機会の供給過剰ゆえに、インプットの時間がない」ことにあると自己分析していましたが、どうもちょっと違う。正確には、「アウトプット機…

 『シンセミア』/『モンタイユー』 

最近の読了本。①小野善康『節約したって不況は終わらない。』、②アンリ・ウェベール『娘たちと話す 左翼ってなに?』、③香山リカ『就職がこわい』、④斉藤美奈子『物は言いよう』節約したって不況は終わらない。―日本経済に答えはある作者: 小野善康出版社/メ…

 こっそり革命

最近非常に気になっているのが「社会派」という括られかた。そこで感じるのは、「小難しい偏った人たち/普通のバランスの取れた自分たち」みたいなニュアンス。これって、典型的な「切断操作」だと思う。社会的なテーマやそれについて語る行為を、「小難し…

 「わかりやすさ」から遠く離れて

あちこちで文章を書いたり、話をしていたりすると、よく次のように言われる。すなわち「あなたの話は難しい。もっとわかりやすく説明してくれ」というもの。仲間内でしか通じない専門用語(ジャーゴン)や読み手の存在をまるで想定できていない自慰行為のよ…

 「フリーター問題」という問題。

先月に引き続き、若年情報誌『これが わたしの、いきるみち。』の出版に関する活動報告――教育研究山形県集会「評価・選抜制度と進路保障」分科会での事例発表や東北公益文科大学の授業「教育と公益」でのゲスト講義――の機会が続いた。若年の生きかたという最…

 それはとても晴れた日で

今日はとてもさわやかな秋晴れでした。結局仕事だけで一日が終わってしまったのではあるのだけど、ふと顔を上げて窓越しに見上げた空がとてもとても青かったのが、ちょっとだけ嬉しかったのでした。「資本論」読書会&自主ゼミネット運営委員会まであと4日…

 分断統治

「共謀罪」のおそろしさは、それが、「疑わしき」を確実に罰することのできる法制度であること。お上に対してのあらゆる異議申立の機会を封じ、非合法化してしまえること。人々の連帯を事前に分断してしまえること。おそらくこれで、ほとんどのNPOやNG…

 若者たちの居場所づくり

居場所づくりという方法 地方都市の山形で、若年世代自身の目線から、子ども・若者たちの居場所づくりの活動に携わるようになって4年目になる。若年の居場所づくりと言うと、不登校・ニート・ひきこもりなど、社会的弱者とされる若年だけを対象とした活動と…

 わたしたちのスタートライン。

最近、若年情報誌『これが わたしの、いきるみち。』出版(とその延長の諸々)にまつわる企画――公開シンポジウム「山形vs若モノ 〜地域づくりフォーラム〜」や山形地区教育研究集会「進路指導を考える」分科会での事例報告――が続いた。身近な若年の具体例…

 鈴木淳史 『占いの力』

占いの力 (新書y)作者: 鈴木淳史出版社/メーカー: 洋泉社発売日: 2004/09メディア: 新書この商品を含むブログ (8件) を見るテレビ番組や雑誌など各種メディアにごく当たり前に登場する「占い」。私たちが日常の中で何気なく接している「占い」の社会的な意味…

 台風一家

てゆーか前日です。予想通り、とうてい準備万端とはいえない有り様ですが、もう時間がないので寝ることにします。やはり日中読書(論文対策)などしていたのが悪かったな。今日の読了本。①山田昌弘『パラサイト社会のゆくえ』、②小浜逸郎『正しい大人化計画…

 原稿依頼

実は今日ぷらほに『GYROS』なるオピニオン誌から原稿執筆依頼があり、まんまと引き受けてしまいました。特集「職場の若者」の記事のひとつだそうな。「なんでうちなの?」という疑問は消えませんが、とりあえず頑張りたいと思います。てゆーか、原稿用…

 『あしがらさん』

日曜日に観たドキュメンタリー映画『あしがらさん』では、あしがらさんや監督たちをとりまく「都市の風景」そのものにやられてしまいました。初めて東京を訪れて「都市的なるもの」を体感した12年前の夏の眩暈のような感覚をふっと思い出してしまった。忌…

 現実のつくりかた。 

フリースペース(居場所)運営というあまり例のない活動をしていたりすると、時折、メディアの取材を受ける機会がある。某テレビ局の取材を受けたときの話だ。その記者いわく、「フリースペースで行われている支援が、不登校やひきこもりの子どもたちに直接…

 オルタナティヴであるとはどういうことか。

やまがたの若年のオルタナティヴな生きかたに関する事例を取材したインタビュー誌『これが わたしの、いきるみち。』を3月に上梓して以来、さまざまな取材に応じる機会があった。そのなかでよく聞かれた質問に次のようなものがある。「インタビュー対象とな…

 『ファスト風土化する日本』

本日の読了本。三浦展『ファスト風土化する日本 郊外化とその病理』(洋泉社新書y 2004)。郊外化/消費社会化がもっとも激しいのは、もはや都心の周辺ではなく、地方においてであるということ。地方都市の郊外化/消費社会化=「ファスト風土」化とい…

 ノスタルジー

読書会が近付いてきているのを自覚したときと読書会が終わった直後は、自分の中の読書欲求が平常値に比べ高め(当社比)になるらしく。今日もやはりそんな感じで、帰宅後は部屋のあちこちに積まれた未読本をぱらぱらめくっては幸福なひとときを享受してみた…

 入れ替え可能な、あまりに入れ替え可能な。

ようやく『資本論』5章を読了。レジュメの構成をおおまかにまとめ終えた。資本家が労働者からどうやって3シリング(×α)を搾取しているのか、そのメカニズム(価値増殖過程)がいよいよ明らかになる。資本論 1 (岩波文庫 白 125-1)作者: マルクス,エンゲル…

 小さな、小さな物語。

ついさっき、某新聞のための書評原稿を書き上げました。鈴木淳史『占いの力』。一年前に同じ著者の2ちゃんねる批評本『美しい日本の掲示板』を書評した繋がりで受けたお仕事。物語=解釈装置としての「占い」という論点から書いてみました。参考文献として…

 自由! 平等! 財産! ベンサム!

ようやく今ごろになって、『資本論』4章を読了。いやあ、いよいよ商品交換の外部、生産過程に突入ですね。ところで、流通過程が「天賦人権の真の花園」とか「事物の予定調和の力」とか「万事を心得た神の摂理」とか、神学的な語彙やレトリックで語られてい…

 『誰も知らない』

今日は、仕事の空き時間に映画を観てきた。是枝裕和監督の『誰も知らない』。大好きな監督の作品だし、いろんなところで話題になっていたので、楽しみにして観にいったのだが、その内容の重たさ、八方ふさがりっぷりに気付いたら涙がこぼれてました。挿入歌…

 「価値中立」という名の思考停止。

ぷらっとほーむの運営は、その価値に賛同し共鳴して下さった数多くの心ある人々による、財政的な支えを得て行われている。利用者がより利用しやすくなるよう、財政基盤を整えていくためには、そうした支援者の裾野を広げていく必要があるわけで、そのために…

 居場所の効用とは何か?

季節がめぐり、ぷらっとほーむに集う子ども・若者たちの顔ぶれも一年前とはずいぶん変わった。かつてこの居場所を利用していた子ども・若者たちのある者は学校に復学/進学し、また別の者は新たな職場でがんばっている。継続の利用者たちも、それぞれのペー…

 《居場所》ノキオク。

フリースペース(居場所)運営というNPO活動に関与するようになって、早くも四年目に突入してしまった。フリースペース/フリースクールというと、「こころの専門家」みたいに誤解される場面も多くて、いいかげんうんざりしている。他はどうあれ、ぼくは…