2005-01-01から1ヶ月間の記事一覧

 氾濫する「コミュニケーション」。

最近至るところで、「コミュニケーションのすすめ」的な煽り文句を耳にするようになった。「こころの交流」や「ふれあい」、「こころの理解」といった語彙がそうだし、「相手の気持ちを思いやれ」とか「場の空気を読め」とかいった言説もそれに含まれるだろ…

 「非国民」のための人生相談

Q. 最近の言葉の乱れには、とても憤りを感じます。とくにひどいのは、敬語の乱れ。敬語は日本語にしかない、素晴らしい文化です。なのに、それを正しく使えない日本人が増えているのは嘆かわしいことです。こうした言葉の乱れとともに、最近の若者たちの間…

 流転する世界

近ごろ、自分を取り巻くさまざまな人びとやものたちの秩序、安定しているものとすっかり思い込んでしまっていたようなそれらが、ほころびていたり解体しかかっていたりという場面に遭遇する機会がなぜか多く、その度にぼくは、移ろい過ぎ去りゆくものたちの…

 『「児童虐待」の構築』

“児童虐待”の構築―捕獲される家族 (SEKAISHISO SEMINAR)作者: 上野加代子,野村知二出版社/メーカー: 世界思想社発売日: 2003/10メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (10件) を見る今日の読了本: 上野・野村『児童虐待>の構築 捕獲される家…

 再び、大学図書館

今日も大学図書館にいりびたり。あんまり頻繁に出入りするもので、守衛のおねーさんに訝しがられる。でも負けない。学生たちに混じって昼間から図書館で研究書とか読んでると、それまでの現実感覚みたいなものがぐにゃぐにゃ歪んでいくのが分かる。今日も、…

 大学図書館

仕事の合間に山大のY研究室へ。わが恩師Y先生が、とうとう研究書を出版することになったとのこと。プロイセン貴族の領主制(グーツヘルシャフト)がテーマだそうな。楽しみ。出版にいたるまでのいろんな話を聞いた。「みんな」のバカ! 無責任になる構造 (…

 『となり町戦争』

となり町戦争作者: 三崎亜記出版社/メーカー: 集英社発売日: 2005/01/05メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 36回この商品を含むブログ (490件) を見る本日は衝動買いした小説、三崎亜記『となり町戦争』を読了。ある日突然届いた「となり町との戦争のお知…

 「塔」の構築

年末年始にかけて部屋の大掃除を。本棚から本があふれ出て置き場所がない上、どこに何があるかも把握しきれなくなってきていたので、今後の作業効率を考えて開架整理することにした。とりあえず、未読本のみを書棚に残して、読了本は全て部屋の中央に平積み…

 再帰する地域性

祖父であるKが「神町キャンプ地返還運動」に関わっていた当時の記録文書を入手。戦後50周年の節目に、東根市職員労働組合の人たちの手で解読され製本されたという、その冊子のタイトルが『神町キャンプ地返還期成同盟日誌』。原本にあたるノートは、祖父…

 「わかりやすさ」のコスト

前回は、「わかりやすさ」というものが、語り手と聞き手の間で成立するための条件について述べた。要約するとそれは、語り手の側での「特定の聞き手を想定した語りかた」ということであった。多様な文脈、多彩な個性を含む「みんな」に同じように何かを伝達…