流転する世界

近ごろ、自分を取り巻くさまざまな人びとやものたちの秩序、安定しているものとすっかり思い込んでしまっていたようなそれらが、ほころびていたり解体しかかっていたりという場面に遭遇する機会がなぜか多く、その度にぼくは、移ろい過ぎ去りゆくものたちの、それが自分の中に穿っていく空洞に戦慄し、あまりの孤独に脳内の中心で愛を叫んでしまうのです。変わっていく人びとと変われない自分。通りすぎる列車。もはや記憶の中だけの懐かしき風景。置き去り感覚。身体が引き裂かれてしまうような。あらゆるものが、ただただ変わっていく。何も選べなかった者は、その非選択の果てに、いったいどこに辿り着けるのだろうか?

資本論〈第1巻(上)〉 (マルクス・コレクション)

資本論〈第1巻(上)〉 (マルクス・コレクション)

書店ですごいものを見つけました。マルクス資本論』の新訳版。なんと、著作集としてその他の著作もまとめて新訳で刊行されるらしい。マルクス本の新刊がやたら流通しているなーと思ったら、こういうことだったのですね。当然ながら、購入(G−W)。