『「児童虐待」の構築』

“児童虐待”の構築―捕獲される家族 (SEKAISHISO SEMINAR)

“児童虐待”の構築―捕獲される家族 (SEKAISHISO SEMINAR)

今日の読了本: 上野・野村『<児童虐待>の構築 捕獲される家族』。「虐待の深刻化」なる言説のもと「リスクの早期発見」の名目で社会の各所に拡がりゆく監視者の視線。ここでもまた「崩壊」という名の構築のプロジェクトが密やかに進行中。「機能不全家族」言説の流通の裏側で、その陰画としての「正しい家族」が構築されていく。おそらくは「ひきこもり」も「フリーター」も、言説としてはそうした機能を担わされた語彙なのだろう。同時に読んでいる、内藤朝雄『いじめの社会理論』(柏書房、2001)もまた抜群に面白い。中間集団全体主義! とはいえ、明日からはまた思想や研究とは無縁な、歯車としての取替可能な日々が再開です。