分断統治

「共謀罪」のおそろしさは、それが、「疑わしき」を確実に罰することのできる法制度であること。お上に対してのあらゆる異議申立の機会を封じ、非合法化してしまえること。人々の連帯を事前に分断してしまえること。おそらくこれで、ほとんどのNPOやNGO、市民活動は牙を抜かれることになるでしょう。そういえば、現行の「特定非営利活動促進法(NPO法)」って、もとは「市民活動促進法」が原案だったらしいが、それをむりやりあのような言葉に置き換えて通過させたのだそうな。さて、市民活動団体が「NPO法人」化するメリットとは、団体運営が透明化されることによって、行政などからの委託を受けやすくなること。活動予算のない団体は、行政予算のおこぼれを頼って要請どおりに法人化するしかない。つまり、「特定非営利活動法」が定める「NPO法人」という、ある決まった枠組のなかに、活動のありかただとか組織運営のかたちだとかを嵌め込まなくてはならない。要は、市民活動の管理と馴致のための法律だったというわけだ。行政が今やっきになってNPO法人化を勧めているが、そこには、行政の下請けタダ働き機関の調達という意味合いの他に、市民活動を飼い馴らそうという意図も見え隠れしている。そのうち、法人化していない(=行政機関に未登録の)NPOは、すべて非合法化なんてことになるかもしれない。

これまで、ある種のたとえとして「戦時体制」とか「国民総動員」とかいう言葉を使ってきましたが、それらが誇張でもなんでもないことに、今さらながらに気付いたような、そんな暗黒な気分です。