若年の居場所

 「ぷらほ」の学びの方法論 その1

■「ぷらほ」では、これまでに、さまざまなやりかたで若年の学び支援の事業に取り組んできた。最近では、外部の方がたにより取り組みの独自の価値や意義を評価していただく場面も増え、その中で「もっと積極的に情報を発信したら?」とのアドバイスなどをいた…

 「ぷらほ」がブックガイドを編む理由。

■山形市の市民活動支援基金「山形市コミュニティ・ファンド」の平成21年度支援事業「株式会社シベール山形市文化芸術支援基金」の助成を受け、「若者向け山形の著作者紹介ガイドブック作成・発行」事業に取り組んでいくことになった。これは、山形出身ある…

 はじまりの「NPO・市民活動入門ゼミ」

■山形県の市民活動支援ファンド「やまがた社会貢献基金」の助成を受け、今年度もまた若年の学びの場づくりの事業を実施することになった。今回のテーマは、「NPO・市民活動」。複雑化した現代社会が抱えるさまざまな課題・問題に対し、私たち市民が主体と…

 「戦争ワークショップ」のすべて

■開催が目前に迫る戦争ドキュメンタリー『ひめゆり』『ミリキタニの猫』合同上映会(6月13日−19日)。市民団体が合同で企画し、しかもそれを、市民活動を出発点に誕生した山形市香澄町の映画館「山形フォーラム」を舞台に実施するという、草の根の市民…

 そして、『ひめゆり』へ。

■この度、6月13日(土)から19日(金)にかけて、長編ドキュメンタリー映画『ひめゆり』(監督:柴田昌平/日本/2007)のアンコール上映を開催することに決まった。会場は、昨年に引き続き山形フォーラム。今回は、同じく戦争をテーマとしたドキュ…

 「ぷらほ」のこどもたち。

■季節がめぐり、また4月がやってきた。「居場所開設」を基軸に取り組んできた私たちの若年支援活動に、「学び支援」と「調査研究・情報発信」という二つの柱を本格的に据えることを決めて1年。それまでにさしたる実績もなく、捻出できる自己資金もごくわず…

 ミッション・マネジメント促進計画!

■独立行政法人福祉医療機構「長寿・子育て・障害者基金」の助成を受けて進めている「不登校・ひきこもり支援NPOガイドブック作成」事業。県内12の支援団体――いろんなかたちクラブ、With優、小国フォルケホイスコーレ、から・ころセンター、蔵王いこ…

 新しい言葉たちのキロク。

■現在、私たちは、某公共放送の番組制作に協力して、団体の活動をほぼ一週間にわたり、被写体としてテレビカメラの前にさらけ出している。番組は、2月20日(金)夜に放送予定であり、内容は、「ぷらほ」スタッフ・松井愛のドキュメントだそうである。イン…

 「教養」をインストール。

■08年7月より、「やまがた社会貢献基金」の助成を受けて、毎週金曜夜に開催してきた「社会ゼミ」(当初の「金曜ゼミ」を途中で改称)が、12月27日の第22回目をもって終了となった。「社会ゼミ」とは、毎回発表担当を立て、彼(女)に、「社会のあり…

 支援団体ガイドブックの企画意図。

■現在、私たちは、独立行政法人福祉医療機構「長寿・子育て・障害者基金」助成事業を受けて、「不登校・ひきこもり支援NPOガイドブック作成」事業に取り組んでいる。県内12の支援団体――いろんなかたちクラブ、With優、小国フォルケホイスコーレ、か…

 大学(ゼミ)一日体験、再び。

■山形県の市民活動支援ファンド「やまがた社会貢献基金」の助成を受け7月より実施している若年支援事業「金曜ゼミ:アナタの知らないシャカイ」。助成を受けた事業の柱は、毎週の「社会ゼミ」開催以外にもうひとつあって、それが「社会体験ワークショップ」…

 「戦争ゼミ」ができるまで。

■9月より、「戦争ゼミ:戦場に送られるかもしれないわたしたちのための、戦争入門」企画が本格的に始まった(平成20年度山形市市民活動支援補助金を受け実施)。これは、毎週土曜の夜、「ぷらほ」にて、若年が主体の「戦争と平和」をめぐる自主ゼミを開催…

 「当事者」意識のそだてかた。

■今月より「金曜ゼミ:アナタの知らないシャカイ」企画が本格的に始まった(平成20年度山形県NPO活動促進助成金を受け実施)。これは、毎週金曜18:30より、山形市江南公民館にて、市民(とりわけ若い世代)主体の自主ゼミを開催するというもので、…

 「金曜ゼミ」ができるまで。

■これまでも何度か書いてきたが、わたしたち若い世代の多くは、自分たちを取り巻く社会や政治のありよう、しくみ、成り立ちなどについて、よくは知らないままに生きている。知らなければ、当然使いこなすこともできない。そうなると、不条理な被害を受けても…

 「思い」は届くよどこまでも。

■四月に始動した企画、ドキュメンタリー映画『ひめゆり』自主上映会(6月21〜28日、会場:山形フォーラム)が、このほど、大盛況のうちに幕を下ろした。さまざまな人びとのご協力のおかげで、当初の目標を大幅に上回る、計727名の人びとにご入場いた…

 「伝えすぎる」ということの弊害

■前回、「学んだり考えたりすること」からの疎外について書いた。わたしたちは、わたしたちを思考停止へと押しやる力にさらされながら生きている。第一に、テレビなどマスメディアが垂れ流す「わかりやすい世界/社会の像」が、わたしたちの視界を去勢する。…

 学び、考える機会からの疎外:無視と抑圧

■おかげさまで「ぷらほ」も今月で5周年を迎える。若い世代が自由に集い、交流できるフリースペースの提供を中心に運営されてきた「ぷらほ」だが、今年度より、若い世代が何かを学んだり考えたりする機会や場の提供にも同じように力を入れていくことになった…

 「分母を増やす」ということの効用。

■六年ほど前から、三つの居場所づくりNPO団体が持ち回りで行っている居場所スタッフ合同研修会。一年ぶりの再開となる今回は、私たち「ぷらっとほーむ」が担当となり、四月初頭、山形市内で開催した。それぞれに多方面に活動を拡大しつつある三団体ゆえ、…

 「就労支援=ニート支援」から遠く離れて。

■先日、山形県からの委託を受けた「若年無業者のための社会参加体験プログラム開発」事業の一環として、山形県労働相談センター・事務局長の佐藤完治さんを講師に招いてのワークショップ「労働相談を体験してみよう:コミュニティユニオン一日体験企画」を開…

 自己批判モードを、君に。

■『ぷらっとほーむ入門』の2008年度版について、スタッフ目線でぷらほの目指す理念や実際のありようを紹介する「スタッフ篇」とメンバー目線でぷらほの生きられた意味や日常を紹介する「メンバー篇」との二冊を同時刊行するという「冷静と情熱のぷらほ」…

 「当事者である」とはどういうことか。

■先日、山形県からの委託を受けた「若年無業者のための社会参加体験プログラム開発」事業の一環として、「子どもの社会参画支援」をミッションとするNPO法人・寺子屋方丈舎(会津若松市)代表理事の江川和弥さんを講師に招いての、ワークショップを開催し…

 「居場所」に「社会学」の花束を。

■先日、山形県からの委託を受けた「若年無業者のための社会参加体験プログラム開発」事業の一環として、東北公益文科大学(酒田市)の渡辺暁雄准教授(社会学)のゼミに、ぷらほメンバー4名とともに参加・体験してきた。ゼミとは、大学に特有の学びの形式だ…

 「ミッション共有」とは何を意味するか?

■先日、調査依頼を受けて、ある居場所NPOを訪れ、そこのスタッフ全員にインタビュー調査を行った。調査のお題は、「NPOは、その団体に固有のミッション(使命)をもっていると前提されているが、果たしてそれは実際にスタッフ間でどれだけ共有されてい…

 社会学から見た「居場所」とは?

■先日、日本教育社会学会第59回大会において、「「居場所」に関わる人びとによる「不登校・ひきこもり支援」の社会的構築:支援者のアイデンティティ・ワークに着目して」という題目で、研究発表を行ってきた。心の専門家による心理学的な言説(居場所にお…

 他の誰かに「居場所」を与えるということ。

■おかげさまで「ぷらっとほーむ」も創設して5年目、いろんな人びととの、いろんなかたちでの関わりを経て、現在の姿がある。ある人びとはここをひとつのきっかけとして新しい自分の居場所を見つけて旅立ち、またある人びとはこことの付き合いかたをそのとき…

 相対化の作法:私たちが「宗教」に陥らないための。

■今回は、次年度版『ぷらほ入門』編集委員会の進捗状況について書く。4月に発足し、「冷静の情熱のぷらほ(仮)」企画としてスタートした編集会議は、7月末現在、15回を数える。毎回、編集部員それぞれが企画案を持ち寄り、全員でそれを議論。ときには厳…

 ぷらほ流・社会学ワークショップのすすめ

■進学希望のメンバー数名の求めで、高校受験社会についての講座を6月より毎週金曜に定期的に開くことになった。わたしは現役の予備校講師でもあるので、「そちらと同じ講義形式の授業を再現するか」などと最初は考えていたのだが、受験生ではないが「社会の…

 「編集作業」遂行中、「関係形成」進行中。

■昨年度末に完成した『ぷらっとほーむ入門2007』。複数のメンバーの協力を得て、何度かの合宿や徹夜の作業の末にできあがった力作である。しかしながら、2007年度版は、完全にスタッフの目線で編集されたものであり、メンバーの声や姿は「ぷらほ」の…

 「自己満足!」批判が成立するための条件。

■「ぷらほ」では、利用者や関係者のオンライン上での交流の場として、インターネットの掲示板を設置し、運営している。最近そこに、匿名のある個人の方から「ぷらほ」を批判する書き込みがあった。その方いわく、「ぷらっとほーむは私から見れば[子どもの自…

 非専門家・対人支援NPOの支援者倫理

■前回、「支援する側」というのが、「支援される側」との立場の非対象性のゆえに、ある種の「権力性」を帯びたものになってしまわざるを得ない、そういう立ち位置なのだと書いた。こうした支援者の「権力性」を、別の名前で呼ぶことで「なかったこと」にした…