自己批判モードを、君に。

■『ぷらっとほーむ入門』の2008年度版について、スタッフ目線でぷらほの目指す理念や実際のありようを紹介する「スタッフ篇」とメンバー目線でぷらほの生きられた意味や日常を紹介する「メンバー篇」との二冊を同時刊行するという「冷静と情熱のぷらほ」企画。その「メンバー篇」の編集作業が、いよいよ大詰めを迎えつつある。編集委員メンバーたちの締切直前の徹夜作業だとか阿鼻叫喚だとかを横目に見ながら、そろそろ「スタッフ篇」も、という意識になる。
■さてその「スタッフ篇」だが、2008年度版のそれは、「ぷらほの長所/短所を分析・記述する」ということを編集方針において作業を進めていこうと考えている。これは、昨年までのそれが「ぷらほの売りや良さをメンバー、スタッフそれぞれの言葉で語ってもらう」であったのと比べると、大きな違いだ。この方針転換は、ひとつには、創設して丸5年になるぷらほが、実際にどのような秩序や文化を生み出すにいたったか、その自己診断が必要だとの判断による。
■ではなぜ、そのような自己診断が必要か。NPOのように、ある信念や価値を社会的に実現していこうという目的で運動・活動している集団や団体においては、そうした信念や価値が有する売りや良さは、運動・活動のあまりにも自明な前提になってしまっていて、流動する社会的文脈のなかでそれがいかなる意味をもつかとか、それらが有効に機能しうるとしたらそれにはどんな条件が必要かとかが、反省的に問われる局面に乏しい。腐敗のもとである。これを避けるためだ。
■ぷらほの売りや長所、ぷらほが達成できた良いことだけでなく、その不可能性や問題点、短所や限界や今後の課題などをも自分たちで積極的に探し出し、それを正しく認識するということ。それらのうちで、変えることのできるものは変え、それができないものに関しては謙虚さを失わないということ。5年という月日を経て、それなりの成果と自信とを積み重ねてきた現在だからこそ、こうした自己批判のモードを改めて自らのうちに再インストールすることが必要だと思う。
■課題や問題、限界などに改めて光をあてるという作業は、今後、自分たちが進むべき方向性を考えるという点でも豊富なヒントを提供してくれる。それらは「社会のなかで若い世代が自分たちの居場所をつくること(を支援すること)」というミッションにとっての、未だ満たされざるニーズである。このニーズに取り組むことで、ミッションを先に進めることが可能となる。メンバーやスタッフへのインタビュー取材が、今からとても楽しみだ。*1

*1:『ぷらっとほーむ通信』058号(2008年2月)