「編集作業」遂行中、「関係形成」進行中。

■昨年度末に完成した『ぷらっとほーむ入門2007』。複数のメンバーの協力を得て、何度かの合宿や徹夜の作業の末にできあがった力作である。しかしながら、2007年度版は、完全にスタッフの目線で編集されたものであり、メンバーの声や姿は「ぷらほ」の日常を外部の人びとに伝えるための「素材」として登場はするものの、メンバー自身の目線から「ぷらほ」がどう見えているのかに関わる視点は実はそこには含まれていない。
■『入門』を年度ごとの活動の集大成として制作するという方向性が何となく固まってきたということもあり、さてでは次の08年度版はどうしようと、スタッフ間で話題になった。ちょうどその頃、メンバーの間から「自分たちが主体になって「ぷらほ文集」のようなものをつくってみたい」という案が出た。ちょうどよい。では、08年度版の『ぷらほ入門』は、スタッフ版とメンバー版を同時発行することにしてしまおう。名付けて、「冷静と情熱のぷらほ」企画(笑)。
■さっそく4月半ばより、この「冷静と情熱のぷらほ」企画のメンバー版冊子編集委員会が組織され、編集というものを体験してみたい、編集に興味があるという5名のメンバー(編集委員)とスタッフ1名(滝口)とで、毎週木曜日、定期的に「編集会議」を開くことになった。「編集会議」とは言っても、誰かに何かを伝えるということを意識し、他の人びととの協業のもとにテクストを編むという意味での「編集」は、ほとんどが未経験。内実は編集ワークショップである。
■ワークショップとは、「参加型の学びの場」のことである。スタッフ側としては、このようなワークショップを定期的にもつことで、しかもその内容が「メディアの編集」に関わるものであるということで、メディア・リテラシー(メディアについての批判的読解力)についての学びの機会をメンバーに提供できるという思惑もあったのだが、いざ始めてみると、そこでの「編集」を通じた学びは、メディア・リテラシーにとどまらないものであることがわかってきた。
■先に「編集」は「誰かに何かを伝えることを意識し、他の人びととの協業のもとに」行うものだと書いた。他人に何かを伝えるためには、そしてそれを誰かと共同で行うためには、まずは伝えたい当の「何か」が何であるのかを明確にし、それを伝える側で共有できていなくてはならない。そう考えるなら、「編集」とは、チームワークの所産であり、そのための関係性の構築である。冊子編集を通じていかなる関係性が編まれていくのか、楽しみに観察し続けたい。*1

*1:『ぷらっとほーむ通信』50号(2007年06月)