センター地理(4)気候要素と気候因子

■気候/気候要素/気候因子の定義: 気候=長期間の大気の平均状態を表したもの、日々の天候の総体。/気候要素=気温、降水量、風、気圧、日照時間、蒸発量など。/気候因子=気候要素の地理分布に影響を与えるもの。緯度、海抜高度、隔海度、地形など。
■気温と緯度の関係: 気温は、単位面積あたりの受熱量の違いにより、低緯度ほど高温、高緯度ほど低温になる。
■気温と海抜高度の関係: 気温は、海抜高度が100m上昇するごとに約0.6℃ずつ下降する。これを、気温の平均逓減率という。
■気温と隔海度の関係: 気温の年較差は、高緯度の大陸内部では小さく(大陸性気候)、低緯度の沿岸部では小さい(海洋性気候)。
■降水のしくみ: 水蒸気を含んだ空気が上昇すると雨が降る。よって、上昇気流が発生している場所(低圧部)では雨が降りやすく、下降気流が発生している場所(高圧部)では雨が降りにくい。
■降水と気圧帯の関係: 赤道低圧帯の影響を受けると多雨になる。また、亜熱帯高圧帯の影響を受けると少雨となり(緯度20〜30度)、砂漠を形成するところもある。
■砂漠の形成: 砂漠は、様々な要因が絡み合って形成されるが、亜熱帯高圧帯の影響、隔海度、山地の風下、寒流の影響などが重要な要素となる。
■風が吹くしくみ=風と気圧の関係: 風は、高圧部(空気が地面を押す力が強い場所)から低圧部(空気が地面を押す力が弱い場所)に吹く空気の移動である。風には、恒常風(1年中常に同じ方向に吹く風)、季節風(季節ごとに吹く方向が変わる風)、地方風などがある。
■大気の大循環=気圧帯と恒常風: 恒常風には、貿易風(亜熱帯高圧帯から赤道低圧帯に向けて吹き、転向力コリオリの力の作用を受けて北半球では北東貿易風、南半球では南東貿易風となる)、偏西風(亜熱帯高圧帯から高緯度地方へ熱を運ぶ西風。これにより亜寒帯低圧帯は高緯度なのに温暖=西岸海洋性気候となる。例えば、ヨーロッパ、ニュージーランド等)、極東風(極高圧帯から亜寒帯低圧帯に向けて吹く東風)があり、低緯度地方と高緯度地方の熱交換を行う。
季節風とは何か: 季節風(モンスーン)は、海陸の比熱差によって生じ、夏季には海洋から、冬季には大陸から吹く風で、特に夏の季節風は多くの降水をもたらす。ユーラシア大陸の東岸で発達しているため、東アジア、東南アジア、南アジアは、モンスーンアジアとも呼ばれる。
■地方風とは何か: 地方風は、フェーン(アルプス地方の高温乾燥風)、シロッコ南イタリアの高温湿潤風)、やませ(東北日本の冷涼湿潤風)など、地域特有の性質をもつ風である。