高校受験社会・歴史(3)近世の日本 その1

■戦国時代から天下統一へ: 戦国時代には下剋上実力主義の風潮ゆえ、各地に有力な戦国大名や寺社勢力、一向一揆などが群立・割拠。市場が分散している状態ゆえ、商売がしにくい。市場統合による広域経済圏づくりを目的として、織田信長が天下統一事業に着手し、後継者の豊臣秀吉がそれを完成させる(織豊政権)。
織田信長の政策: 中世以来の既存勢力から権力を奪いとるため、朝廷・仏教弾圧(延暦寺焼き討ち、一向一揆弾圧、室町幕府滅亡)を行い、その代替宗教としてキリスト教(1549年、イエズス会宣教師フランシスコ=ザビエルにより日本伝来)を支援。長篠の戦い(1575)では、鉄砲(1543年、種子島に漂着したポルトガル人により日本伝来)を使用。商工業を発展させるため、安土城下にて楽市・楽座(座の特権廃止・自由営業許可)を実施。
豊臣秀吉の政策: 信長の中座した事業を継承し、天下統一を達成(1590)。統一事業途中より太閤検地(1582 日本全国土地調査・評価・格付け)、刀狩り(1588 農民武装解除)を実施し、統一後の徴税・治安システムづくりに着手(このしくみ=兵農分離が、近世日本における身分社会の基礎となる)。統一完了後、陣営のひとつにまとめるための共通の敵がいなくなり、それを新たに大陸に設定。二度にわたる朝鮮侵略(1592-98 文禄・慶長の役)。キリスト教は禁止するが、ヨーロッパ(ポルトガル・スペイン)人との貿易は継続。ゆえに禁教効果なし。
桃山文化: 天守閣/大阪城/姫路城/狩野永徳(屏風絵・襖絵など)/千利休(茶道)/出雲の阿国(歌舞伎踊り)。