センター地理(3)小地形 その2

氷河地形の特徴: 氷河地形は、氷河の侵食・堆積作用により形成されたもので、高緯度地方や高山地域で発達している。氷河には大陸氷河と山岳氷河とがあり、かつて氷河期において山岳氷河のあった地域(北緯50度以北のヨーロッパ、北緯40度以北のアメリカ合衆国ニュージーランド南島、チリ南部)において、氷河地形が発達している。氷河地形には、カール(山頂付近が氷食により半椀状に抉りとられたもの)、ホルン(複数のカールが形成されることで生じた尖峰)、U字谷(氷食でつくられた断面がU字状の谷)、フィヨルド(U字谷に海水が侵入したもの)、モレーン(氷河により運搬された砂礫が押し固められ、氷河の消失後に残った丘陵)などがある。
■乾燥地形の特徴: 乾燥地形は、乾燥気候で見られ、岩石の風化作用が活発で、砂漠が分布する。砂丘、外来河川(砂漠の外部から流れてくる河川)、内陸河川(砂漠の内部を流れる河川)、塩湖(水分が蒸発したため塩分濃度の高い湖)、ワジ(かれ川)などが見られる。
■カルスト地形の特徴: カルスト地形は、雨水に含まれる二酸化炭素により石灰石が溶食されて形成される。ドリーネ(溶食による凹地)が複数つながってできるのがウバーレ。これらの地下には鍾乳洞が形成されるが、これが大規模化して落盤すると、ポリエ(大規模な窪地)ができる。また、多雨地域では石灰岩台地がほとんど溶けてしまい、タワーカルスト(塔状の岩石)が残される。有名なタワーカルストとして、桂林(中国)、秋吉台(日本・山口県)、平尾台(日本・福岡県)などがある。