「助成制度とのつきあいかた」の現在形

■前号でも触れたことだが、山形県NPO支援ファンド「やまがた社会貢献基金」の2010年度協働助成事業(テーマ希望型:うまい!を明日へ!「山形の宝」継承活動支援事業)に企画提案した「「ヤマガタ文学遺産」ガイドブック作成」事業が、プレゼンテーションを受けた審査の結果、採択され、7月より事業がスタートした。事業は、「キャラ化ビジネスプロジェクト」の3人――スタッフの滝口、メンバーの今村、小林――で進めている。
■また、7月下旬には、山形市NPO支援ファンド「山形市コミュニティファンド」の2010年度市民活動支援補助金に応募した「ヤマガタ多文化マップづくり講座」事業が、公開プレゼンテーションを受けた市民投票の結果、採択され、8月より事業がスタートする。こちらは、企画・構想の段階から事業実施、成果物のまとめ、事業報告にいたるまで、若者UJIターン推進事業スタッフの尾崎が中心となって取り組まれる予定だ。
■さらに、この通信が発行されるころには結果が出ていたりもするのだが、もう一つチャレンジしている助成金がある。山形県主催の「青少年 夢と創造へのアイディアコンテスト」である。挑戦しているのは、上記スタッフの尾崎、「キャラ化ビジネスプロジェクト」の今村、小林の3人で、企画・構想から応募資料の作成、公開プレゼンテーションの準備に至るまで、3人で役割分担しながら準備を進めている。
■これらはどれも、近年急速に整備が進んだ行政のNPO支援のしくみである。「なるべくたくさんの活動に、幅広く支援する」という基金の理念のゆえにであろう、1団体ごとの支援金額はそれほど大きくなく、また使途に制限がつく。こうした特徴をふまえ、私たちはこれまで、団体の基幹的な事業ではなく、実験的な取り組みや新しい領域の開拓といった試行錯誤のための資金調達先として、これらの基金を活用してきた。
■上記チャレンジもそうした試行錯誤の一環である。が、そこにはこれまでの「ぷらほ」にはなかった新しさがある。従来、助成制度の活用といえば、専らスタッフの滝口がそれを準備し、他のスタッフやメンバーはあくまで滝口が敷いた事業のレールに後から乗るという形での参加しか存在しなかった。それが今回は違う。尾崎や今村、小林など、新たな戦力がこの試行錯誤過程に参入。彼女らから「ぷらほ」にもたらされるであろう「多文化」に期待したい。*1

*1:『ぷらっとほーむ通信』088号(2010年8月)