センター地理(3)小地形 その1

■平地の地形: 平野は、その成因により、浸食平野(浸食作用でできた平野)と堆積平野(堆積作用でできた平野)とに分けられる。浸食平野には準平原と構造平野があり、堆積平野には沖積平野と洪積台地がある。日本の平野は大部分が堆積平野である。
■浸食平野の特徴: 準平原(長期の浸食を受け起伏の少ない岩盤)と構造平野(浅海底で堆積した地層が陸地化して浸食されたもの)からなる。構造平野が浸食されると、メサ(卓状山地)、ビュート(尖った山地)、ケスタ(階段状地形)などができる。
沖積平野の特徴: 沖積平野は、河川の堆積作用でできた平野で、山麓扇状地、中下流に氾濫原、河口に三角州が形成される。扇状地は、扇頂、扇端、扇端からなる。扇頂や扇央では河川が伏流して水無川になるため、果樹園や新興住宅地として利用され、扇端ではそれが湧水として出るので古い集落が形成されたり水田として利用されたりしている。氾濫原では、河川が蛇行するため、川の両脇に土砂が堆積されてできた自然堤防(数mの微高地)や河川の氾濫でできた三日月湖が見られる。自然堤防は集落や畑として利用され、その背後にある後背湿地は水田として利用される。
■洪積台地の特徴: 洪積台地は、古い扇状地などが隆起してできた台地で、日本の台地の大部分がこれにあたる。河岸段丘や海岸段丘もこれに含まれる。
■海岸の地形: 海岸の地形は、その成因により、離水海岸(陸地隆起あるいは海面低下、つまり海底の陸地化)と沈水海岸(陸地下降あるいは海面上昇、つまり陸地の海底化)とに大別できる。その他にも、沿岸流が砂を堆積してできる海岸小地形がある。
■離水海岸の特徴: 離水海岸には海岸平野や海岸段丘があり、平坦面は人間の重要な活動の場となる。
■沈水海岸の特徴: 沈水海岸には、リアス式海岸フィヨルドエスチュアリーなどがあり、いずれも水深が大きいため、良港が立地しやすい。リアス式海岸(スペイン北西部、三陸海岸若狭湾など)においては河川が浸食したV字谷が見られ、フィヨルドノルウェー西岸、チリ南部、ニュージーランド南島など)においては氷河が侵食したU字谷が見られる。これに対し、河川の河口部が沈水してできたのがエスチュアリー(テムズ河口、セーヌ河口、エルベ河口など)であり、河口付近には大都市が発達しやすい。
■海岸の小地形: 沿岸流が砂を堆積させることで、砂嘴(くちばし状に伸びた砂地)、砂州(対岸近くまで伸びた砂地)、陸繋島(砂州で陸と繋がった島)、陸繋砂州(トンボロ)、潟湖(ラグーン)などが形成される。