センター倫理(3)無意識の世界を探る

■無意識(意識では統御できない力)の発見: 西欧近代思想による「人間=理性的存在」なる想定に対し、フロイト精神分析は人間の意識・理性(表層)に影響を及ぼす深層としての「無意識」を想定。つまり、西欧近代の「理性」信奉に対する批判=アンチテーゼとしての「無意識」。
フロイト「性衝動(リビドー)」: 性衝動(「セックスしたい!」という欲求)こそが心的なエネルギー。性衝動(リビドー)の貯蔵庫である無意識(es/id)からの「セックスしたい!」という欲求の突き上げを受けて、自我(ich/ego)が現実との間で調整を図り、その抑制を行う。このように、自我がきちんと機能しているかどうかを、超自我(super-ego)が検閲者として道徳的に監視。
フロイト「抑圧/防衛機制」: 自我を守るため、欲求不満は、無理やりごまかされて、無意識に押し込められる。このごまかしのメカニズムを、防衛機制という。防衛機制には、合理化/同一視/投影(投射)/代償/昇華/反動形成/逃避/退行 がある。
ユング集合的無意識/元型」: 個人的無意識のさらに奥底には、集合的無意識が存在する。人類に普遍的なイメージ(世界各地の神話・夢などの同型性)は、集合的無意識から説明がつく、とされる。