センター現代社会(1)現代社会の特質:大衆社会

大衆社会のすがた: みんなが同じものを所有する大量生産・大量消費社会。みんなに同じ情報を大量に流すマスコミ(マス・コミュニケーション)の発達がそれを支える。公共的な事柄に関する意思決定を大衆にゆだねる普通選挙制度や、公共的な事柄へのアクセスを大衆に対して可能にした義務教育制度の発展もまた、その成立条件のひとつである。
■リースマン『孤独な群集』の描く人間類型: 市民革命前(18世紀まで)=伝統志向型(先祖代々の伝統・慣習・権威に従う) → 市民革命後(19世紀)=内部志向型(自己の良心・理性に従う) → 現代(20世紀)=他人志向型(大衆社会の人間類型。他者に同調する)。
■旧中間層(自作農・手工業者など)と新中間層(専門職・サラリーマンなど): 生産手段をもつ資本家と生産手段をもたない労働者のどちらにも属さない、という意味での中間層。産業革命以前から存在する旧中間層と、産業革命以降、企業や組織が官僚制を取り入れていく中でその担い手として発達した新中間層。
■基礎的集団から機能的集団へ: 人びとの生活や仕事の場が、前近代的な基礎的集団から近代的な機能的集団へと変遷。コミュニティからアソシエーションへ(マッキーバー)/ゲマインシャフトからゲゼルシャフトへ(テンニース)/第一次集団から第二次集団へ(クーリー)。
■官僚制(M.ウェーバー): 近代的な組織運営原理。ピラミッド型=タテの指揮命令系統、職務の専門性・役割分担の明確化、公私の峻別、文書・ハンコ主義などの特徴あり。