調査企画:酒田市における民間公益活動の活性化要因についての調査


0.はじめに
本レポートでは、地方自治体(酒田市)職員の立場に立ち、現在抱えている課題を抽出し、適切なマーケティングリサーチを実施するための調査計画を立案する。

1.背景と目的 
人口流出や少子高齢化(とそれゆえの財政難)が進行する地方自治体では、社会問題をはじめとするさまざまな住民ニーズのそれぞれに対して、直接的に対処していくのは困難であり、今後ますます困難の度合いが増していくだろうと思われる。行政が住民ニーズのすべてをカヴァーするのではなく、市民との協働のなかで、さまざまな問題に対処していくことが必要となってくる。ここで言う「市民」とは、市民活動、ボランティア、NPOなどといった形で、民間の公益活動に従事する人びとを指すものとする。したがって、「市民との協働」を実現していくためには、「協働」のパートナーである市民活動、ボランティア、NPOが「協働」に足るだけの経営能力・事業能力・専門性などを備えてあることが必要であったり、また多様化する住民ニーズの充足に応えられるだけの分厚い層として、市民活動、ボランティア、NPOの多様な活動が存在していることが必要であったりする。だが、酒田市の現状においては、民間公益活動がそうした水準に到達しているとはいいがたい。そのひとつの指標として、酒田市内で活動するNPO法人数を見てみよう。酒田市においては、2006年8月現在で17のNPO法人内閣府所管法人含まず)が活動しており、これは酒田市人口117,108人ということと考え合わせると、6,888人につき1法人となる。参考までに、酒田市内には、小学校が32、中学校が12ある。
そこでまずは、酒田市内で活動する民間公益活動のよりいっそうの活性化が、今後の酒田市の重要課題であると考える。行政としても、さまざまな民間公益活動が生まれ、成長し、それにより人びとの便益が向上するような環境の整備などを積極的に推進していく必要があろう。ここでは、行政と住民の双方に発想の転換が求められている。この転換を住民の側から記述すると、何らかの問題が生じたときに行政頼みになるのではなく、自分たち自身で対処していく、ということになり、行政の側から記述すると、住民を善導または指導しようとするのではなく、自立した市民への支援を行うことを自らの仕事と位置づける、ということになる。こうした基本発想を酒田市で暮らす人びとが内面化し、自立した市民として非営利組織(行政、NPOなど)を使いこなしていくようになるために、それに適し、それを促進するような環境づくりを行うこと。これが、本調査企画の前提となる目的である。換言するなら、こうした発想や行動様式そのものが「社会的プロダクト」であり、酒田市に居住する人びとが「標的採用者」ということになる。

2.仮説
行政依存志向から自立市民志向への価値観の転換をもたらす(ための環境を整備する)こと。この目的を達成するためには、いったい何が、酒田に住む人びとに行政依存を志向させ、彼(女)らが自立的な市民であることを妨げているのか、その要因についての社会調査が不可欠である。したがって、本調査企画の仮説は次のようになる。いったい何が、酒田市の民間公益活動不振の原因となっているのか。そして、そうした諸要因のうちの何を改善すれば、酒田市の民間公益活動が活動しやすい環境を整えることができるのだろうか。
さて、上で「標的採用者は「酒田に住む人びと」である」と書いたが、それでは広すぎるため、対象をさらに限定したい。市民活動、ボランティア、NPOなどの民間公益活動に関して、酒田市に暮らす人びとを細分化すると、次のようになる。すなわち、①現在、民間公益活動に従事している者、②現在、民間公益活動に従事していない者。後者に関してはさらに、②a当該領域に好意的な関心はあるが従事はしていない者、②b当該領域に無関心な者、②c当該領域に敵対的な者、と細分化できる。したがって、①の周囲に、②a、②b、②cの順序で展開する同心円として、酒田市に暮らす人びとをマッピングすることが可能である。
一般的に考えて、②cの「敵対層」や②bの「無関心層」をいきなり①の「従事層」へ移行させるのは困難であろう。ここでは、そうした急速な変革ではなく、漸進的な変化を前提として考えていきたい。そのためには、それぞれの層に応じて異なる戦略目標が必要である。具体的には、②cの「敵対層」に対しては、②bの「無関心層」への移行を促すようなマーケティング戦略(「NPOはあなたに害を与えません」路線)が必要となり、②bの「無関心層」に対しては、②aの「好意層」への移行を促すようなマーケティング戦略(「NPOはおもしろい」路線)が必要となる。さらに②aの「好意層」に関しては、①の「従事層」への移行を促すようなマーケティング戦略(「NPOに参加しよう」路線)が必要となり、最後に①の「従事層」に関しては、彼(女)らがその活動から離脱せずにそこにとどまり続けることを選択するようなマーケティング戦略(「NPOを続けよう」路線)が必要となる。
これら4つのそれぞれの層に対するマーケティング戦略のなかで、「酒田市の民間公益活動を活性化させる」という目的に照らして、優先順位をつけるとすれば、まずは「好意層」を「従事層」へ移行させる「NPOに参加しよう」路線が、次に、それにより新規参入した人びとを「従事層」にとどめおくための「NPOを続けよう」路線が重要であると考えられる。残りの二つの路線――「敵対層」を「無関心層」へ移行させる「NPOはあなたに害を与えません」路線と、「無関心層」を「好意層」へ移行させる「NPOはおもしろい」路線――は、相対的に重要度が落ちる。したがって、まず必要なのは、「興味をもっているが民間公益活動には従事していない人びとが活動に参加するためにはどうするのか」を考えることであり、それはつまり、「「好意層」にとってのハードルとなっている遠心要因は何であるか」と「「従事層」をその場にとどめおいている求心要因は何であるか」を探ることである。ここでは、調査対象を「従事層」に設定したい。「従事層」はかつて「好意層」であったという過程を経ており、彼(女)らを調査対象にすえることで、「従事層」の志向と「好意層」の志向の両方に効率的にアプローチ可能となるためである。
まとめると、本調査の仮説は次のようになる。すなわち、「好意層」にとっての遠心要因/「従事層」にとっての求心要因がそれぞれ何であるかを現在活動中の人びとを対象とした社会調査を通じて明らかにすることで、酒田市の民間公益活動が不振である要因を特定し、政策的介入の手がかりを得る、というものである。

3.調査の具体的な内容
上記を踏まえて、酒田市で現在、民間公益活動(市民活動、ボランティア、NPOなど)に従事している者を対象に、活動の現状や実態や課題、活動に従事するようになったきっかけなどを調査することで、「活動参入または継続を促進/妨害する要因」が何であるかを探っていく。そのためには、二段階の調査過程を経る必要がある。第一に、「現在民間公益活動に従事している人びと」というのが誰なのかを特定するための予備調査(1)であり、第二に、その結果特定できた「従事者」を対象とした詳細にわたる本調査(2)である。
(1)予備調査
本調査の対象特定のために行う予備調査は、酒田市内で活動する民間公益活動(市民活動、ボランティア、NPOなど)を網羅することが目的となる。そのための手がかりとしては、山形県HPや酒田市HPなどで基礎情報を獲得する。山形県HP「NPO法人(認証順名簿)」によれば、酒田市内に事務所をおくNPO法人は17団体である。また、酒田市ボランティア連絡協議会HPの「団体紹介」によれば、酒田市内で活動するボランティア団体は43団体である。さらに、酒田市のまちづくり推進課が実施した「平成17年市民活動支援事業」の審査結果HPによれば、助成申請している14団体が存在する。さらに、東北公益文科大学酒田市)が発行した小冊子『地域がステージ公益大生のこころいきブック』によれば、学生の公益活動団体が30団体存在する。以上を単純に合計すると、104団体となる。
この104団体を対象に、まずは郵送調査または電話調査を行い、現時点での活動の有無や活動拠点、活動者数、規約の有無などを確認する。また、つきあいのある酒田市の民間公益団体に関しても調査を行い、新たに存在が確認された団体があれば、その時点で上述の電話調査を実施する。新たな情報が出てこなくなるまで、この作業を繰り返す。その結果、現時点で活動している酒田市の民間公益活動団体についての網羅的なデータを手に入れることができる。
①活動実態、②連絡先、③規約、④収支予算/決算書に関するデータを収集できた団体に関しては「安定群」と位置づけ、それに満たない団体に関しては「不安定群」と位置づける。本調査は、前者の「安定群」の民間公益団体のみを本調査の対象とする。これは、上記4項目に関するデータが存在しない/外部非公開の場合、「公益活動」とは言えないため、本調査より除外するということである。
(2)本調査
本調査は、基本的に悉皆調査とする。実際に活動を行っている場に出向き、そこで詳細にわたる聞き取り調査を行う。具体的に聞き取りを行う対象は、各活動団体で事業や運営の中核を担っている活動者(複数)とする。聞き取りの柱は大きく二つ。一つ目は、当該の民間公益活動それ自体に関するもの、二つ目は、活動者個々人に関するもの。特に重要なのは後者。具体的には、活動者本人にとって、①現在活動していての便益/課題、②活動に参入したきっかけ/参入のハードル、がそれぞれ何であるか/あったかを、活動者それぞれの意味論に即して明らかにする。この聞き取りを通じて、現在活動している人びとにとって民間公益活動がどのような(主観的あるいは客観的な)便益や課題をもたらしているのか、また彼(女)の活動参入を可能/不可能にした要因とは何だったのか、などといったことを明らかにすることができる。
聞き取りを通じて語られたことは、KJ法の要領でその内容ごとにパーツ化し、①便益/課題、②過去/現在を二つの軸とする4象限に配列する。「便益」に分類されたパーツに関しては、それをさらに促進するためにはどういった追加調査や政策介入が可能であるかをそれぞれ追求していけばよい。また、「課題」に分類されたパーツに関しては、それを克服するためにはどういった追加調査や政策介入が可能であるかをそれぞれ追求していけばよい。本調査は、そうした個別事例ごとの「促進」政策や「克服」政策のための基礎調査という位置づけとなる。

4.調査項目と調査手法
(1)予備調査
HP等から確認可能な104団体に対し、電話調査または郵送調査を行う。調査項目は、以下のとおり。
①現在の活動状況: 活動実態のない幽霊団体でないかどうか、調査時点で定期的に活動しているかどうか
②現在の活動拠点: 事務局の連絡先は存在するかどうか、それはどこか
③現在の活動者数: 団体の会員総数はどのくらいか、活動の中核メンバーはどのくらいか、周辺的活動参加者はどのくらいか、財政支援者はどのくらいいるか
④規約等の有無: 団体の公益活動/組織を定義する規約や定款は存在するかどうか、それは外部者に公開可能かどうか
⑤現在の財政状況: 財政状況を知ることのできる資料は存在するかどうか、それは外部者に公開可能か
⑥関連団体の有無: 活動を通じて存在を知っている酒田市の民間公益活動にはどのようなものがあるか、それはいつ、どこで活動していて、誰がそれに主に関与しているか、連絡先はどこか
①〜⑤の調査項目は、それぞれの民間公益活動のおおまかなイメージをつかむ目的のために配置されている。加えて、①②④⑤に関しては、各項目について当該団体が情報公開可能かどうかを調べることをも目的としている。それぞれについての情報公開が、当調査がその団体を「公益活動」と見なすかどうかの条件となる。全項目について情報公開が可能であった民間公益団体を「安定群」、どれかひとつでも情報公開不可能なものが含まれているような団体を「不安定群」と分類する。続く本調査では、「安定群」のみを対象とする。
また、⑥の調査項目については、最初に手がかりとした行政のHPや小冊子の把握から漏れでる範囲で、それとは無関連に活動している不可視の民間公益団体を「可視化」するのがねらいである。民間公益団体相互の草の根のネットワークをたどることで、酒田市内のどこに、どのような活動者がいて、どのような活動を実施しているのかを、まずは網羅的に知るためである。104団体を予備調査する段階で、未知の民間公益団体の存在を確認したら、その段階で104団体と同様の過程で予備調査を行う。この過程を繰り返した上で、民間公益団体に関する新情報が出てこなくなった時点で、この予備調査は終了である。
(2)本調査
上記(1)の予備調査で「安定群」に分類された民間公益活動団体に対する、悉皆調査を実施する。予備調査で特定したそれぞれの活動拠点におもむき、予備調査で特定した活動の代表者および中核メンバー(複数名)に対して、聞き取り調査を実施する。質問項目は、(ア)団体自体に関するものと(イ)活動者個人に関するもので、以下のとおりである。
(ア)団体に関する質問項目
①公益活動の領域:「改正NPO法第2条」の定める17の活動分野のうち、どの分野に関わって活動しているか(複数回答可)
②組織形態: 任意団体/NPO法人のどちらであるか、なぜその組織形態を採用しているか、その組織形態の長所/短所はそれぞれ何か
③財政状況: 前年度の決算規模、今年度の予算規模はどのくらいか、収入の内訳(会費収入、寄付収入、補助金収入、事業収入など)を簡単な比率で表わすとどうなるか
④雇用状況: 雇用(フルタイム/パートタイム)している者はいるか、何人いるか、その者の性別と年代、居住地はどうか
⑤活動の来歴: いつ活動が始まったか、現在活動暦は何年か、どういう経緯で活動が開始されたか、開始時点での活動者数は何人か
⑥活動上の課題: 団体が現在直面している課題とは何か、開始当初の団体の課題とは何であったか、今後想定される団体の課題とは何か
(イ)活動者個人に関する質問項目
①現在の便益: 現在の活動からあなたは何を得ているか、活動をやめるとすればそこから何が失われたときか、活動していていちばん楽しい/面白いと感じることは何か
②現在の課題: 活動していて個人的に課題に感じることは何か、現在苦しんでいることや悩んでいることは何か
③参入の契機: あなたが活動に参入したきっかけは何か、あなたを活動へと接続した人がいるとするとその人はあなたとはどういう間柄であるか、活動への参入当初あなたはどのようなことを感じていたか、期待通り/期待外れがあったとすればそれはどのようなことか
④参入ハードル: 活動への参入時点であなたは何らかの抵抗やためらいを感じなかったか、感じたとすればそれはどのようなものであったか
⑤経済状況: あなたの年収はどのくらいか、もしそこに民間公益活動からの収入があるとすればそれは全体の何割くらいを占めるか
⑥家族内の地位: あなたはあなたの家族のなかでどのような位置を占めるか、あなたの性別と年代はどうであるか
⑦活動の時間: あなたは公益活動にどのくらいの時間を費やしているか、それは一週間168時間中でいうと何時間か
(ア)の質問項目に関してのデータは、先の予備調査で収集したものと合わせて、民間公益活動団体データベースを作成する。これが、酒田市で現時点において「安定的」に活動している民間公益活動団体の基礎資料になる。①の質問項目の採用により、改正NPO法の定める17の活動分野を共通基準として、NPO法人とボランティア団体、市民活動団体などを比較可能であるため、それを②③④⑤の各項目とクロスさせることで、酒田市内の民間公益活動団体のなかで、どの活動分野が活発/不活発であるか、それぞれの分野の活動者数や財政規模、雇用状況、組織形態、活動履歴などがどうなっており、各項目が相互にどう関連し合っているか、といったことを数量的に解明することができる。またそれらに⑥の項目を組み合わせれば、活動分野ごとに、過去/現在/将来にわたり、どのような事柄が課題として想定されているか、をも知ることができる。
(イ)の質問項目に関するデータのうち、①②③④は、酒田市における民間公益活動従事者個々人の活動をめぐる意識や意味論、認識枠組を明らかにするためのものである。それぞれ、現在活動から得られている便益は何か、個人的に課題に感じることは何か、かつて活動へ参入したときのきっかけは何だったか、そのとき障碍になったものとは何だったか、を知るためのものである。換言するなら、①からは「従事層」をその場にとどめている「求心要因」とは何かを知ることができ、②からは「従事層」を離脱させるかもしれない「遠心要因」が何かを知ることができる。さらに、③からは「好意層」を「従事層」へ移行させるための「遠心要因」が何であるか、そして④からは「好意層」をその場にとどめおく「求心要因」が何であるかを、それぞれ知ることができるのである。残りの⑤⑥⑦は、酒田市の民間公益活動のリーダー層の人びとというのがどういう人たちであるのか、その経済状況や家族構成、性別や年代、活動スタイルはどのようなものなのか、などについて知ることのできる数量的なデータとなる。

5.分析手法と分析軸
(1)団体ベースの分析軸
予備調査の質問項目③と、本調査の団体調査(ア)の質問項目①②③④⑤⑥をクロスさせることで、酒田市において安定的に活動を行っている民間公益活動団体の現状や実態(どのような活動分野/財政規模/活動者数/組織形態/雇用状況/活動履歴の団体が多い/少ないのか、それらの各項目は相互にどう関連しているのか、ある分野の活動を活性化させるのに必要な条件は何であるか、ある分野の活動が共通して直面する課題とは何か、など)についてのマクロな数量データを得ることができる。このデータベースを用いることで、団体レベルに照準する視点で抽出可能な課題を可視化して示すことができ、民間公益活動活性化における団体ベースでの追加調査や政策介入に関する議論に確実な基礎を与えることができる。
その後の展望としては、ここで得られたマクロ・データをもとに、KJ法などを用いて、課題等を抽出する作業を行い、それぞれの問題に関して相関する項目や係数が何かをも踏まえたうえで、団体ベースでの対処法を議論していけばよい。
(2)個人ベースの分析軸
本調査の活動者調査(イ)の質問項目①②からは、民間公益活動者たちを動機付けている要因が何であるか、そして彼(女)らから動機を剥奪する要因が何か、を知ることができる。また同項目③④からは、彼(女)らを引き寄せた活動の(外から見える)魅力とは何であったのか、また彼(女)らの新規参入を阻害する要因とは何であったのか、知ることができる。
ここで提出された要因群は、KJ法の手法を用いて、次のように分析される。すなわち、それら諸要因を、意味内容のまとまりごとに小さなパーツに分解し、各パーツをそれぞれポストイットに記入する。それらを、「過去/現在」という時間の軸と「課題/便益」という意味の軸とを交差させた4象限のそれぞれに配置させることで、民間公益活動従事者たちが置かれた状況を俯瞰して示すことができる。各象限には、質問項目①②③④のそれぞれに対応させて言うなら、①民間公益活動の継続促進要因とは何か、②民間公益活動からの離脱促進要因とは何か、③民間公益活動への新規参入促進要因とは何か、④民間公益活動への新規参入阻害要因とは何か、についての活動者の自己認識が示されることになる。
その後の分析の道筋は、促進要因であればそれをどう伸ばしていくかあるいは人為的に設計するか、阻害要因であればそれをいかに除去するかあるいは中和するか、ということを象限ごとに詳細に議論していくということでよい。その際には、質問項目⑤⑥⑦とクロスさせることで、その背後のいかなる要素が行為を制約しているかをも把握し、それらを踏まえた上で、各象限の課題に対してどのような追加調査や政策介入が適切であるかを個別に考えていけばよい。
また、質問項目⑤⑥⑦は、それ自体が独立して、酒田市における民間公益活動者の人物像(どういう経済状況の、どういう性別や年齢の、どういう家族構成の、どういう生活時間の人びとがそれに中核的に関与しているのか)を知るのに適したデータである。こちらに関しても、その人物類型の特徴などを、KJ法を用いることでさまざまな角度から抽出する作業を行い、それらをもとに個人ベースでの対処法を議論していくとよい。