はじまりの「解体」作業。

■大学院入学前勉強会。学長を含む9名の教員と、入院予定者6名が車座に座る。自己紹介を兼ねた研究領域紹介が各教官から為されたのち、入院予定者6名の、これまた自己紹介を兼ねた研究計画の即席発表会へ移行。各自の発表に関しては、教員数名からさまざまな突っ込みやコメントが降り注ぐ。「そんな会だったなんて聞いてねーよ」とはあの場に居合わせたすべての人たちの脳内の叫びであったろうと憶測するのであるが、まあとりあえず持参した研究計画書の内容をかいつまんで語る。「居場所の人材消耗」問題の解決策を探るとか何とか。いつものやっつけ仕事。そう思って軽く考えたのが、実は大いなる誤算だったわけで。 
■これまで我流で出鱈目に構築してきた社会認識や語彙体系をいったんばらばらに分解して、新たな基準――社会学?――に基づいて再構築する。まさにそのために、現在おかれている「現場」から半分だけ身を引き剥がして、研究者の立ち位置を自らに課すことにした――それが、今回の入院にあたっての初志だったわけだが、入院以前にすでにそれを忘却しかかっていたという事実に気づく。そのきっかけとなったのは、学長どの直々のダメ出し。「現場に特化しすぎで視野せまい」とか「言葉が難しすぎて意味不明」とか。いちばんくらったのは「あんたいったい何がしたいの? 全然見えてこないよ」という直球。すいません。出直してきます。