「歴史学」の(再)発見。

ヒトラー 権力の本質

ヒトラー 権力の本質

■恩師であるY先生の「ヨーロッパ史演習」ゼミ合宿@蔵王山荘(11月19日−20日)に参加してきた。ゼミ参加者は、学生さん6名(女3、男3)、Y先生、OB4名(男4)の合計11名。学生さんは、2回生と3回生。テーマが「ファシズム第二次世界大戦下のヨーロッパ・アメリカ」というもの。上記文献『ヒトラー 権力の本質』を演習で輪読していて、ドイツ以外のファシズムをも比較史的に検討してみることで、ナチズムの特異性を浮かび上がらせてみようといった趣旨。取り上げられていたのが、フランス、イギリス、スペイン、イタリア、アメリカ合衆国、そして同時代の国際関係史。
■以下感想。自分が現役だった頃は、「アナール学派と社会史」だとか「家族史の国際比較」だとかそんな感じの割とソフトなテーマが多かったと思うのだが、今回のそれは非常にハードな話題――国際関係論とか経済史とか国制史とか――ばかりで、ついていくのがやっと。もっともっとお勉強が必要。それとともに、現在の日本を「ファシズム」と捉える運動系の言説がある(そしてそれに自分もまた乗ってきた)わけだが、もうちょっと丁寧に「ファシズム」なる概念装置とその履歴についてフォローしておく必要性を感じた。あとは単純に、今回の報告になかった日本やソ連とも比較分析してみたいと思った。