第六回 日曜ゼミ

日本の敬語論 ? ポライトネス理論からの再検討

日本の敬語論 ? ポライトネス理論からの再検討

■遅ればせながら。日曜ゼミ@山形市市民活動支援センター(11月20日、14:00‐19:00)。参加者8名(女4、男4)。今回は新規参加者が2名。報告は以下のとおり。

①「敬語論の現在」
②「「従軍慰安婦」について①」

■前者は、Kさんによる「敬語論」の言説史と、それをふまえた上での最新の「敬語論」ともいえる「ポライトネス理論」の紹介。「ポライトネス理論」の観点からは、巷間よく言われる「若者の言葉の乱れ」も、相手との接近するための距離化戦略と解釈可能とのこと。であれば、気になるのは、なぜ最近になって急にそうした事態が生じているのかということだ。思うにそれは、流動性が高まったことと連関しているのではないか。心理主義化の議論などともどこかでつながるような気がする。おもしろい。今後の展開にも期待。
■後者は、Iさんによる「従軍慰安婦」(=軍用性奴隷にされた人たち)という問題の紹介。前半は「従軍慰安婦」をめぐる諸問題についての簡単な説明があり、後半は昨年京都で行われた元「慰安婦」のハルモニによる証言のビデオを参加者みんなで鑑賞。あまりの内容に絶句。議論の流れが途中で何となく「だから戦争/軍隊はひどい。断固反対!」的な方向――それじゃ思考停止にしかならない――に行きかけたような気がするのだが、大事なのはいかなる制御の不在ゆえにこのような無秩序な暴力が現前してしまうのかを問うことだと思う。暴力を馴致するしくみについて徹底的に考えること。「日本軍」の組織文化論が必要なのだ。