何度でも 何度でも 僕は生まれ変わって行ける

NUM-HEAVYMETALLIC

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■幾つかのささやかな物語たちが終焉を迎えて、すっかり「空っぽ」になってしまって迎えた新しい週の新しい一日の新しい朝。いつものあの飢餓感覚がまた自分を襲うのかと思うと非常にうんざりではあったのだが、全然そんなことはなく。むしろいろんな意味で「身軽さ」を感じている。そう、自分は今とても自由だ。何のしがらみもないし、どこへ行くにも誰に躊躇することもない。どこへだって行ってかまわないのだ。なかなか「良い場所」にたどり着いたものだと、我ながら感心する。そんな不思議な幸福感の朝、ふいに電話がなる。
■電話は、某大学事務局のTさんとUさんより。昨日地元の新聞に掲載された私の書評を読んだ一般の人たちから、「紹介されたその本を読みたい」との問い合わせの電話が何本も入ったのだという。その報告とお礼の電話だった。「自分の駄文を読んでいる人が存在した」という段階からしてすでに驚きなのだが、それが、どこの誰だか分からない複数の人たちを読書行為へと動機づけることに成功したということらしいので、とにかくもう脳内はお祭りである。素直にうれしい。Uさんからのある「お誘い」にも心が揺れる。
■予備校(高等予備科・大学予備科)講義が計3コマ、家庭教師2件を済ませて帰宅すると、同大学大学院より、封書にてある通知が。あけるとそこには「入院予定者で事前研究会を開くので来ませんか?」的なことが書かれてある。来月中旬に開催とのこと。迷わず、飛び込むことを決意。「どこにも行く場がない=どこへでも行ける」という両義的な場所にいた自分にふいに舞い降りた、これは「新しい物語」なのだろう。ならばその僥倖に身をゆだねよう。今週は二週間ぶりの社会学ゼミ。学生さんたちに会うのが楽しみだ。