「結婚せよ」という強迫

■県主催、出会いの集い 山形で来月 参照

「君を一生幸せにするよ」「あなたの隣に居させて」。チケットにそんな文面が印刷されたパーティーが来月2日、山形市内で開かれる。主催するのは県。「結婚しやすい環境づくりの推進事業」として初めて企画した。県の後押しで幸せを獲得するカップルは、さて誕生するのか……。
 パーティーの名は「ハッピーライフスタイル」。来月2日午後6時から山形市双葉町1丁目の山形テルサである。18歳以上の男女が対象。ウエディングプランナーやヘアデザイナーら、地元で活躍する人をゲストに迎え、年齢、職業を越えて広く交流してもらうのが狙いという。
 参加料は500円。男性はジャケット、女性はヒール付きの靴と「ちょっとオシャレな格好での参加」が条件。ただ未婚、既婚は問わない。「露骨な『お見合いパーティー』になると参加者が見込めなくなってしまうため」と県女性青少年政策室の担当者。
 軽食とソフトドリンクが付くが、アルコールは出さない。同室は「金曜日の夜なので、パーティー終了後、2次会にも出掛けやすいはず」。
 担当には県少子化対策専門員があたる。「行政の結婚支援と聞くと本当に参加してほしい人が二の足を踏んでしまう。幅広い人に集まってほしい」(担当者)。
 04年に実施した結婚に関する意識調査で、県内の20〜30代の男女が「結婚できない理由」として挙げたのが「適当な相手にまだめぐり合わない」が最も多かった。
 この結果を受け、県として支援に乗りだそうと6月の補正予算で220万円を計上。今回の村山地区を第一弾として、形式を変えて庄内、最上、置賜地区でも同様のパーティーを開く予定だ。
 ただ、同室も手探りの状態で、「今回の参加者からどんな反応があるか……。新たな試みだけにこちらもチャレンジです」。
 参加申し込みや問い合わせは県女性青少年政策室内の事務局(電話023・630・2668)へ。

■今日、居場所でネタになったのでメモ。不特定の相手との恋愛や性愛を「援交」や「不倫」という名のもとに抑圧=非道徳化/非合法化し、結婚(そして出産)につながる/その枠内での恋愛や性愛のみを正統なものと位置づけていく認識枠組が、このような「結婚支援」の前提としてある。これを、「産めよ、増やせよ」の現在形である、と断定して済ますのは簡単だが、果たしてこうした「少子化対策」なる行為領域で生じているのは、いったい何であるのか。どのような人びとが、どのような意図においてそうした「支援」を企画し、どのような人びとが、どのような意図においてそうした「支援」を利用する/しないのか。そして、その「支援」のなかで生じているのは、いったい何であるのか。
■最近やたらとウザったく感じられる「結婚への脅迫」。ある年代層に到達するまでは不可視の、この社会規範が、そこに集う人びとの間で/によって、どのように構築され、更新され続けているのか。参与観察の対象として面白そう。「合コン」の社会学。いろいろと悩んでしまうのは、入院後の研究テーマ。W先生(社会学)にご指導いただく予定なのだが、「これからいろんなコストを投下して追求したいテーマって何よ」とか言われても、まだピンとくる具体的な対象がない。「居場所における関係性」の記述というのは確かに課題ではあるのだが、できればそれとは別に新しいフィールドを開拓したいわけで。