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センター試験倫理の点数が面白いほどとれる本

センター試験倫理の点数が面白いほどとれる本

センター倫理。実存主義。まともに読んだこともないくせに、ニーチェハイデガーサルトルの思想について講義してしまう。参考書丸写しの、我ながら最低の授業。ごめんなさい。その分野についての基礎教養もない人間が当該領域について語ることのいちばんの恐ろしさは、自らの位置をマッピングできないがゆえに、自己の語りの偏りについての自覚が欠如しがちになるということ、さらには、偏りの程度や布置を知るために必要な「ものさし」それ自体さえもっていないことについても自覚が欠如しがちになるという点にあると思う。バカとは、自分がバカかどうかをはかる基準、つまり教養とか文脈とかを欠く人のことをいうわけで、とすれば教科書すら相対化できない今の自分はまさにバカ丸出しだ。対象Aについて知るためには、Aの読解のみでは不十分。対象Aは、他の対象BやC、Dなどとどのような関係を結んでいるのか、Aをとりまく世界のなかでそれがどのような位置を占めているのか。実体論ではなく、関係論としての把握。そう考えるなら、習得すべきは「図」というよりむしろ「地」であり、個々のローカルな知識というよりむしろそれらを相互に関係づけ位置づける価値/思想的な文脈(=教養)であるといえよう。そこに照準する。バカから脱却するために。