マルチリンガルな活動体を目指して。

■おかげさまで創設7周年を迎えることができた「ぷらほ」。毎年5月を迎えるたびに、「ずいぶん遠いところまで来たものだ」とそれなりの感慨を覚えるものだが、今回は例年以上だった。「ぷらほ」の運営に関して、これまでの7年間には存在しなかったようなとても大きな転機を、つい先日経験したためである。4月24−25日にかけて実施した「ぷらほ合宿:「ぷらほ」が閉まると言われたら?」ならびに4月29日に開催した「ぷらほ総会(2010年度)」がそれだ。
■どのような意味で転機だったのか。それぞれ説明しておきたい。まずは前者の「ぷらほ合宿」から。「ぷらほ」運営をスタッフ2人だけで占有してしまうのではなく、有志メンバーに対しても開いていこうとの方針にシフトした「ぷらほ」ではあるが、いきなり「運営への参加/参画」などと言われても面食らってしまうというのが本音だろう。まずはNPOの企画・運営なるものの実態を体験的に知ることのできる機会が必要だ。「ぷらほ合宿」はそうした意図で企画された。
■内容は、ワークショップ形式の研修会。共同代表2人を含め、全部で10人が参加した。初日のワークは、東北芸術工科大学教授・片桐隆嗣さんとそのゼミで学ぶ大学院生・石沢恵理さん、吉田祐子さんにファシリテーターをお願いしての「「だがしや楽校」のつくりかた」。「ぷらほ」の現実を離れ、自由な発想で企画づくりを体験してもらうのがねらいだ。二日目には、柔らかくなった頭で、メンバーどうし2人一組になり、今度は「ぷらほ」の企画づくりをしてもらった。
■次が「ぷらほ総会」。総会は、NPOとしての「ぷらほ」の最高議決機関であり、そこでの議決権を有しているのが正会員なのだが、これまでの7年間、正会員は滝口と松井の二人だけであった。つまり、「ぷらほ」は、正会員の2人がそのまま運営委員であり、さらには共同代表であるという組織形態で運営してきたわけである。今年度より、この正会員に4人の「ぷらほ」メンバーが加わり、合計6人での総会となった。当然、これまでとはだいぶ雰囲気の違う会となった。
■これまでずっと2人だけで運営してきた「ぷらほ」。マルチリンガルを目指す私たちではあるが、2人だけでは実現できる多様さに限界がある。自分たちとしては開かれているつもりでも、外部から見れば、「閉ざされている」という側面も多々あろう。上記イベントは、その意味で、「ぷらほ」それ自体のマルチリンガル化に道を開くものである。「ぷらほ」はまだまだ、自身のうちに眠るポテンシャルを知らない。ここが、私たちの新しいスタートラインだ。*1

*1:『ぷらっとほーむ通信』085号(2010年5月)