「ぷらほ」、もう解散?

■年度末が近づき、今年度の事業の決算や総括の作業に徐々に入りつつある。そんな中、「ぷらほ」の財政状況が非常に危機的な状態にあるという事実が発覚した。初年度以来、いざというときに備えて確保し続けてきた予備費がほとんど底をついていたという事実である。簡単に言うと、「預金残高が0円」ということである。このままでは、借金でもしない限り、次年度の予算が組めないし、そもそもお金を貸してくれる金融機関などない。どうしよう、という問題である。
■とはいうものの、慌てたところでしかたがない。なぜこんな事態に至ったのかという状況分析から始めよう。直接の要因は、これまで安定的な事業収入を見込めていた「居場所」部門の不振である。かつてと比べて利用者が激減しているのである。その背景には、スタッフ二人の活動範囲が広がったことで相対的に「ぷらほ」の事業全体に占める「居場所」の比重が縮小しているのにも関わらず、「居場所」事業に従来通りの財政的期待をし続けてきたという判断ミスがある。
■ではどうするか。二つの方向があると私たちは考えている。第一に、「ぷらほ」全体の中で比重を増しつつある「学びの場づくり」「調査研究・情報発信」部門の取り組みに課金していくという方向性がある。前者でいえば、ワークショップや講座、ゼミなど、この数年間に試験運用してきた学び支援プログラムを商品化していくということであり、後者でいえば、若い世代の現状を扱った情報誌や若い世代向けの学びを支援するツールなどを積極的に発行していくことである。
■第二の方向性は、一見そうした流れに逆行するようではあるが、比重を減らした「居場所」部門の再活性化である。自分が望む他者とのつながりや自分が生きたい社会との接点を見失ってしまい、孤立の中で苦しんでいる若い世代は変わらず存在し続けている。現在、その人たちに「居場所」の存在を伝えるコミュニケーションがうまくできていないことが不振の理由である。要は、そこで新たに接続の手法をつくり出していくことが課題となっているのである。
■「ぷらほ」をなくしたくない、そのために何か手助けしたいというみなさんに協力してほしいことがある。一つは、「居場所」を訪れてくれること。訪問者が増えれば「居場所」のコミュニケーションは彩を増すし、収入も回復する。もう一つが、これから発行する3冊の冊子『ヤマガタ発』、『社会のつくりかた!』、『地域のつくりかた!』の地域普及・販売への協力である。決め細やかな広報とそのための人手がぜひとも必要だ。ぜひ、あなたの手を貸してほしい。*1

*1:『ぷらっとほーむ通信』083号(2010年3月)