わたしが無茶振りする理由。

■2月になり年度末が近づいてくる中で、行政からの助成事業、委託事業などがいよいよ大詰めを迎えつつある。具体的に現在取り組んでいるのは、「若者向け山形の著作者紹介ガイドブック作成・発行」事業(「山形市コミュニティファンド」による助成)、「若年市民を対象とした「NPO・市民活動入門ゼミ」の定期開催」事業(「やまがた社会貢献基金」による助成)、「地域づくり情報誌発行」事業(「山形県ふるさと雇用再生特別基金事業」による業務委託)の三事業である。
■二人しかいない「ぷらほ」スタッフ――しかもこれらは「学びの場づくり」「調査研究・情報発信」部門の事業であるため、張りつきで関われるスタッフは実質一人――でこれらすべてをこなしていくのはとうてい不可能であるわけで、必要な仕事の多くを、「ぷらほ」メンバーの有志の人びとに担ってもらいながら進めている。彼らがいなければ、彼らの助力がなければ、ここまで進めてくることはできなかっただろうし、なお残る業務も終えることはできないだろう。
■なぜ、突然このようなことを書くのか。日ごろ伝えきれていない感謝の気持ちを改めて表明したい、というのももちろんある。だがそれだけではない。こうした共同作業の結果、私たちが何を獲得したのか、その成果についての認識を共有しておきたいという思いがあるためだ。この紙幅で語れることでもないが、代表的な成果をあげるというなら、まずは「「とりあえず動いてみる」という行動様式の定着化」があげられるのではないかと(ひそかに)思っている。
■「とりあえず動いてみる」とはどういうことか。愛すべき「ぷらほ」メンバーたちは、スタッフ――メガネのほう――の日常的な無茶振りに、内心では「無理!」と思っていても決してそうは言わず、「とりあえずやってみます」とその仕事を持ち帰る。その結果、彼(女)らは、現状からはややハードルが高めの仕事に取り組むことになり、やればやっただけ何かが積みあがっていく。それを見たスタッフが「あ、次はこれもいける!」と無茶振りを加速。後はそのくり返しだ。
■拒絶した場合のスタッフの反応がこわいからとの解釈も可能だが、心底嫌ならそもそも企画自体に参加しない。それでも来るのは、「とりあえず動いてみる、すると見える風景が変わってくる」ということへの確信めいたものがそれぞれの内部に着実に宿りつつあるからだろうと思う。この確信――「動けば変わる」ということへの信頼――があれば、私たちはきっとどこへでもいける。私たちが「ぷらっとほーむ」を名乗る理由とは、つまりそういうことだ。*1

*1:『ぷらっとほーむ通信』082号(2010年2月)