センター現代社会(3)欲求の分析

■欲求の階層構造説(欲求階層説): アメリカの心理学者マズローが提唱した概念。人間の欲求は、低次のものから順に、生理的欲求(食べたい、寝たい)、安全欲求(安全でいたい)、所属・愛情欲求(何かの一員でいたい、愛してほしい)、自尊欲求(リスペクトしてほしい)、そして最高次の自己実現欲求(自分の可能性を実現したい)の五段階に構造化されており、下位の欲求が満たされてはじめて次の欲求が現れるというしくみになっている。
防衛機制とは何か: オーストリア精神科医精神分析家)フロイトが提唱した概念。フロイトは、意識の底に無意識の領域を想定し、そこには性衝動(リビドー)が渦巻いているとした。意識は「セックスしたい!」という性衝動の突き上げを絶えず受けているが、それらは現実に充足することが困難なので、さまざまな形で押さえ込まれる。ここに欲求不満が生まれるが、これを無意識に解消しようとするメカニズムが働く。この心の動きのことをフロイト防衛機制と呼ぶ。
防衛機制の種類: 抑圧(無意識の世界に問題を押しやる、忘れる)、合理化(問題に理屈づけをして自己正当化する)、逃避(現実から逃れて問題を避ける)、退行(幼児化することで周囲の関心を惹く)、同一視(誰かの能力・業績を自分のもののように考えて満足する)、昇華(性の欲求を社会的価値の高い活動に振り向ける)、代償(別の欲求による満足に置き換える)、反動形成(抑圧した欲求と正反対の行動をとる)、投射(自分がつくった緊張状態を他人のせいにする)、白昼夢(満たされない願望を空想で満たす)など。