『図解仕事人』

図解仕事人 (光文社新書)

図解仕事人 (光文社新書)

■読了文献。75冊目。久恒啓一『図解仕事人』。コミュニケーションの基本は「読み、考え、書く」にあり、ビジネスコミュニケーションに必要なのは「理解力、企画力、伝達力」である。これらを高めるために有益なのが「図解」の技術であり、「図解コミュニケーション」である、というのが本書の主張。KJ法の使いかたの議論にもつながる。理解力を高めるための方法としてあげられている「図読のすすめ」が面白い。「まずは自分の仕事を図解してみる」とか「ビジネス自分史/人生計画表」とかは、ワークショップのネタとしても十分使えるもの。そういう点では便利なネタ本。とはいえ、図解や記号は、概念や定義を曖昧でうやむやなままにしてもおけるために、一瞬わかった気にはなるがよくよく考えるとまるでわからないというような特徴をも備えており、それはつまり、説得したい側に有利なツールでもあるということなので、ごまかされないように気をつけたほうがいいと思いました。