『発想法』

発想法―創造性開発のために (中公新書 (136))

発想法―創造性開発のために (中公新書 (136))

■読了文献。60冊目。川喜田二郎『発想法:創造性開発のために』。KJ法の産みの親によるKJ法入門。乱暴にまとめると、(1)紙切れづくり(単位化と圧縮化)→(2)グループ編成→(3)KJ法A型(図解)→(4)KJ法B型(文章化)を一サイクルとし、そのサイクルを累積的に重ねる(累積的KJ法)という方法。ボトム・アップの民主主義的な合意調達のトレーニング技法といってもいいかもしれない。KJ法と言うと、ワークショップ(参加型学習の場)における(1)ブレーンストーミング→(2)グルーピングのプロセスに特化したものとばかり理解していたが、実際にはその後の(3)A型図解→(4)B型文書化のプロセスこそが重要であり、そのファシリテートには熟練を要するとのこと。なるほどね。個人的には、このKJ法がもともと生み出された文脈である「野外科学」、つまりフィールドワークで得られたデータをどう記録・記述するかという点で非常に参考になった。フィールドノートのまとめの作業の際に、KJ法を採り入れてみることにする。