■読了文献。55冊目。長谷部恭男・
杉田敦『これが
憲法だ!』。
憲法学者と
政治学者の対論本。
立憲主義と民主主義(デモクラシー)が対立する局面やら論点やらが、それぞれを研究する二人の学者の討論という形で再現されていて、そこが非常に面白かった。
憲法について考える際には、「条文」の字句ではなく、「
憲法原理」あるいは「政治体制」というものとの絡みで考えるべき、というのが両者の共通認識。それに沿って考えると、「9条をかえよう」という
改憲派の目論見も、それへの
護憲派の危機感も、あまり現実的ではないのかなとも思ったり。杉田による「いっそのこと
憲法(9条)なんかなくしちゃえばいいんじゃないですか」的な煽りは、ものごとを根本から考え直してみるためには必要な仮定かもしれない。「国家
自衛権」からではなく「個人
自衛権」から考えてみる必要がある、ゆえに「絶対平和主義」には反対、というのも面白い。