『希望について』

希望について

希望について

■読了文献。56冊目。立岩真也『希望について』。初めての立岩社会学。まず、生産はそもそも十分に足りているのだから、「働け」とか「生産しろ」とかを誰かに強要する根拠がないのだということ。それじゃその人は食っていけないよというのは、分配をしっかりするという方向で解決すべき問題なのだということ。働いている側は、働いておらず分配で食う人を「タダ乗り」と批判するが、「タダ乗り」して欲しくなかったら自分の仕事=報酬の一部を切り分けてその人たちに提供すべきであること。その人の生きる価値を「生産性」におくのではなく、その人の「存在」それ自体におくべきであること。その人の制御可能なものとその人の所有権の範囲が無条件に重なるわけではないこと、等など。シンプルでいいなと思うのだが、よくわからない論点も多々あり。個々のアイディアについて、さらにこの人の書いたものを読んでいきたいと思う。