『<地域人>とまちづくり』

〈地域人〉とまちづくり 講談社現代新書

〈地域人〉とまちづくり 講談社現代新書

■読了文献。38冊目。中沢孝夫『<地域人>とまちづくり』。日本の各地での草の根の「まちづくり」に関する成功事例やエピソードをかき集めて一冊にまとめたもの。そうした「まちづくり」を担う人びとのことを、著者は「地域人」と呼ぶ。個々別々の、もしかしたら全く異なる文脈・歴史・背景のもとにあったかもしれないそれらひとつひとつの物語たちは、こんなふうに、「まちづくり」だとか「地域人」だとかの、薄っぺらで平板な、しかし口当たりだけはやたらよい、ありきたりの言葉で一括りにされていく。そもそもこの手の文献に共通して瀰漫している「商店街イデオロギー」が気になってしかたない。