『モノ・サピエンス』

モノ・サピエンス 物質化・単一化していく人類 (光文社新書)

モノ・サピエンス 物質化・単一化していく人類 (光文社新書)

■読了文献。41冊目。岡本裕一朗『モノ・サピエンス:物質化・単一化していく人類』。生産者社会から消費者社会へ、人間の「モノ・サピエンス化」(モノ化・物神化・単一化・使い捨て化)というのを共通の解読格子として、高級ブランド志向、援助交際、フリーター、クローン技術、臓器移植、家族、遺伝子操作、文化相対主義ネオリベ、監視技術、メディアなど、現代社会の諸側面を鮮やかに読み解いていく。高校の「現代社会」あたりの副読本として非常に便利な一冊。「モノ・サピエンス化」が新たに言説空間に持ち込む争点が、既存の勢力地図を大きく塗り替えていくことになるだろう、との著者の予測が非常に面白い。