『スティール・ボール・ラン』

STEEL BALL RUN vol.9―ジョジョの奇妙な冒険Part7 (9) (ジャンプコミックス)

STEEL BALL RUN vol.9―ジョジョの奇妙な冒険Part7 (9) (ジャンプコミックス)

STEEL BALL RUN vol.8―ジョジョの奇妙な冒険Part7 (8) (ジャンプコミックス)

STEEL BALL RUN vol.8―ジョジョの奇妙な冒険Part7 (8) (ジャンプコミックス)

STEEL BALL RUN vol.7―ジョジョの奇妙な冒険Part7 (7) (ジャンプコミックス)

STEEL BALL RUN vol.7―ジョジョの奇妙な冒険Part7 (7) (ジャンプコミックス)

■読了漫画。72−76冊目。荒木飛呂彦スティール・ボール・ラン』7−11巻。テンション異様に高し。リンゴォ篇、ルーシー篇で提示された一連の分割線――「対応者」と「漆黒の意志」、「社会的な価値観」と「男の世界」、「ミス待ちのライン」と「光輝く道=なじむ道」――が、大陸横断レース、遺体さがしの他にさらに物語にもう1つの意味論を追加。スタンド等能力の有無やその強さみたいなものと、物語上でそのキャラが果たす役割の重要性が関連しなくなってきている。遺体を手に入れたルーシーがスタンド使いにならなかったのがその一例。興味深い傾向。とはいえ、物語前半で確かに描かれていたはずの視点や欲望の重層性・複数性は、遺体争奪戦という単一の目的論へと収束されつつあるようで、それがちょっと不満と言えば不満。念頭にあるのは、使い捨てられ感ありありのサンドマンの一件。ディオと同じ程度には、独自の原理や欲望に基づいて主人公チームのわきを併走し続ける、そんなキャラであってほしかったのに。