『<子ども>のための哲学』

<子ども>のための哲学 講談社現代新書―ジュネス

<子ども>のための哲学 講談社現代新書―ジュネス

■読了本。23冊目。永井均『<子ども>のための哲学』。新聞書評のための参考文献として。道徳言説の機能について分析したくだりが面白かった。「水面に浮かびがちな人」/「水中に沈みがちな人」という著者の分類で言うなら、自分は明らかに前者である。いつのまにそうなってしまったのだろう。はっきりしたのは、自分にとって本書の「問い」は「水面生活」を豊かにするためのネタにすぎないという点だ。面白い、とは思うが、自分もそこに参入しようとまでは思えない。とはいえ、それじゃお前が参入したいお前に固有の「問い」とは何か、という「問い」をいただいた気がするので、貴重な読書体験であった。