『ウィトゲンシュタイン入門』

ウィトゲンシュタイン入門 (ちくま新書)

ウィトゲンシュタイン入門 (ちくま新書)

■読了本。22冊目。永井均ウィトゲンシュタイン入門』。新聞書評のための参考文献として。「言語ゲーム」という考えかたについて、はじめてまともな解説を読む。「自分が従っている規則は念頭に置くことができても、規則への従い方(の規則)はついには念頭に置くことができない」。ゆえに、私たちは、その規則が有する根拠ゆえにその規則に従っているのではない。私たちは、端的な実践者であることしかできない、とのこと。かなり飛躍していることは承知で書くが、既存の居場所論(心理学者、教育学者らのそれ)に自分が感じてきた違和感に、うまい言葉を与えてもらえたような感覚がある。わたしが知りたいのはおそらく、居場所の規則というよりは、その規則との人びとの付き合いかたなのだ。