『利益が上がる! NPOの経済学』

利益が上がる! NPOの経済学

利益が上がる! NPOの経済学

■読了本。18冊目。跡田直澄『利益が上がる! NPOの経済学』。NPOフォーラム事務局から「予習として読んどけ」とメールが来たので読んでみた。「NPO=ボランティア」という捉えかた(ボランティア幻想)をやめて、マネジメントやファンドレイジングといった観点からNPOを考察してみようというもの。企業のCSR(社会的責任)、投資家のSRI(社会的責任投資)、NPOのファンドレイジング努力などを推し進めることで、「寄付による投資」を社会的に調達してそれを資金源にNPOセクターを回していくといいんじゃないの、との提案。何かと言うと日本NPOの停滞を「寄付文化(の背景要因としての宗教文化)の不在」や「政府による保護(例えば寄付税制)の不在」のせいにして済ませようとする言説類型が「お約束」的にはびこり、現場の人びとのインセンティヴを削ぎ落とす方向に機能している現状に抗して、NPOに独自のイニシアチヴを認め、NPOセクターが具体的に努力すべき方向性(のひとつのありかた)というものを明示してくれているという点で非常に興味深かった。アイディアに詰まったときのネタ本として重宝できそうな感じ。