『日本沈没』

■観た映画。29本目。『日本沈没』。期待外れ。『アルマゲドン』の焼き直しみたいな感じ。さっさと日本列島なんか沈めてしまって、列島なきあとの「日本人たちのディアスポラ」とかを描けば面白いと思うのに、結局、途中からありふれた「恋愛映画」へ移行、噴火や地震は「恋愛」成就を阻む障害の記号に過ぎなくなり、最後の最後には「滅私奉公」に対するお涙頂戴ものになってしまっておりました。「沈没」っていうのなら、ちゃんと「沈没」させてくれないと困る。百歩譲って「沈没」しないにしても、自然の猛威――世界の恐怖――だけでなく、政府機能の停止や都市機能の麻痺など社会の無秩序状態――社会の恐怖――をもきちんと描いてほしかった。「政治」や「社会」の、何より「他者」の、不在。