『戦後日本の論点』

戦後日本の論点―山本七平の見た日本 (ちくま新書)

戦後日本の論点―山本七平の見た日本 (ちくま新書)

■読んだ本。45冊目。高澤秀治『戦後日本の論点』。イザヤ・ベンダサン山本七平の再発掘。下剋上の出自をもつ徳川(できちゃった)政権が、その疚しさから導入した外来思想・朱子学が情緒的教条化・過激化していった果てに、日本的な擬似正統主義の象徴としての「現人神」=尊王思想が生成する。とか、帝国陸軍が必死になって占領しようとしていたのは、中国でもインドシナでもなく、実は「日本国」そのものであった。とか、非常に興味深い議論が盛りだくさん。「保守」というラベルだけで食わず嫌いなのはよくないね。