ぼくは不つりあいに広い道路を思い浮かべ

■予備校高等予備科の合格祈願祭。その後、居場所スタッフ。帰宅後、明日の「日曜ゼミ」のゼミ論構想(案)の作成。「東北の近代/現代」みたいなテーマであれこれ調べてみようかと。全然すすんでないくせに、余裕かまして『時効警察』を観る。第二話のゲストはなんと池脇千鶴。そのうち上野樹里にも出演して欲しい。前回の麻生久美子「新しいパンツはいてぴょーん」に匹敵する何かを期待したのだが、特筆すべき点はなし。ふせえりが、やはり細かいところで笑わせてくれる。本当にありがとうございました。

「ALWAYS 三丁目の夕日」夕日町オフィシャルガイド

「ALWAYS 三丁目の夕日」夕日町オフィシャルガイド

■観た映画。ソラリスにて『ALWAYS 三丁目の夕日』。8本目。舞台は、わたしが生まれる15年前の、昭和33(1958)年の東京。「もはや戦後ではない」ものの、戦争の足跡と貧困がまだ社会のあちこちに残存する時代。背景にうつる、構築途上の「東京タワー」は、登場人物たちの――あるいは彼らを通して描かれたこの時代の――「夢」や「欲望」の、卓抜な隠喩である。ラストシーンは、「完成した東京タワーと沈む夕日」という象徴的な風景。わたしたち団塊ジュニアの時代の、それは幕開けの光景だ。
東北―つくられた異境 (中公新書)

東北―つくられた異境 (中公新書)

■読んだ本。12冊目。明治期=国民国家形成期における「東北」の構築過程。当初は多様な語り口で語られていた東北だが、1900年代に入ると、やがてその語り口は「遅れた地域」へと凝結。明治から大正へと移り変わる1910年代がその変容の画期であり、この辺りに「国内植民地」としての役割が固定、つまり国内での地位が低下していくのと並行して、言説の上では、そうした後進性の払拭という意味で「帝国的膨張」と連続的な「東北」論が語られるようになっていくのだ、と著者は言う。国民国家の相対化という紋切り型とは異なる切り口を期待していたのだが、残念ながらそうしたものは提示されていなかったように思う。