『空中庭園』

空中庭園 (文春文庫)

空中庭園 (文春文庫)

■夜中にもう一冊。角田光代空中庭園』を読了。明日からフォーラムにて映画版『空中庭園』の上映が始まるので、その予習がわりに。郊外の住宅団地に暮らす家族・京橋家のごくごく「ふつう」な日常風景を、それを構成する4人(+それをとりまく2人)の視点から複眼的に描き出す。「目に見えるものたち」の背後に隠された、奥行きのある、豊穣な、どろどろに汚れた、闇の世界。京橋家に入りこむ家庭教師・北野三奈の視点に激しく共感。そうかこういうのも「あり」なんだよな。ついつい、阿部和重シンセミア』や平安寿子『グッドラックららばい』を連想してしまう。