『め〜どイン山形』/『さくらの唄』

さくらの唄(下) (講談社漫画文庫)

さくらの唄(下) (講談社漫画文庫)

め~どイン山形 (古川コミックス (3))

め~どイン山形 (古川コミックス (3))

安彦麻理絵『め〜どイン山形』を読了。作品それ自体は95年当時のもの。著者は、69年生まれで、山形県新庄市出身とのこと。新庄弁の女子高生3人組の、香ばしくかつ生暖かい日常がコミカルに描かれる。どこへもいけない田舎の閉塞感と、その相関物として募りゆく過剰な自意識。「大人になること=東京へ出ること」という等式の成立する空間。どことなく、安達哲さくらの唄』を想起。「ここ」から早く逃れたい一方で、「ここ」から一歩も動きたくなかったあの頃。何とかして変わりたいのだけど、絶対に変わりたくなかったあの頃。ずいぶん遠いところまで来たなあ。自分でもまるで気付かぬうちに「危ない橋」を渡り終えてしまっていた自分。当時いっしょに渡ってくれたあの人に感謝。また会いたいな。会っていろいろ話したい。おそらくそれは決して叶うことのない望みなのだけど。