市政意見交換会 やまがタウンミーティング

なぜ「話」は通じないのか―コミュニケーションの不自由論

なぜ「話」は通じないのか―コミュニケーションの不自由論

山形市の市政意見交換会「やまがタウンミーティング」に参加。27日、13:30−16:30、霞城セントラル3階保健センター大会議室にて。三部構成の予定で、第一部が「市政の概要」説明、第二部が「市役所の仕事を知る」ということで各部――総務部、企画調整部、市民生活部、健康福祉部、環境部、商工観光部、農林部、建設部、都市開発部、下水道部、水道部、済生館、消防本部、教育委員会――からの事業説明、それを受けて、第三部で市民との意見交換会、となる予定だったらしいが、第二部がずるずるに延びて、結局第三部はなし。意見交換会はなかったものの、第二部の各部からの事業説明に対する質疑応答がその代替的な機能を果たしていたっぽい。
■以下感想。この市政意見交換会は、「山形市の仕事の検証システム」なる取り組みの一環とのこと。各部の事業に関して、職員自身による「自己検証」に加え、外部の専門家による「外部検証」が行われ、数値化されたその結果が、各部より報告された。まったくといっていいほど知らなかった領域ゆえ、非常に面白く聞いた。とりわけ興味深かったのは、企画調整部の事業「山形国際ドキュメンタリー映画祭実施事業」が1回(2年ごと)の映画祭開催につき事業費総額2億円(!)だということとか、教育委員会の事業「不登校児童生徒対策事業」――具体的には、適応指導教室運営やスクールカウンセラー配置――が事業費総額4600(うち人件費4200)万円(!)だというあたり。
仲正昌樹『なぜ「話」は通じないのか』で記述されていたような、文脈を読め/読まずに報告内容とは全然関係ない「陳情ネタ」とか「市政批判」とかを開陳する市民の人たちが参加者の中にいて、しかもそれが他の市民の人たちから野次られて、それを見た役所側の偉い人たちがニヤニヤする光景とかが展開されていて、大人っていやだなあと思いますた。文脈が読めないバカも嫌いだし、それをここぞとばかりにいたぶる正義感ぶったバカも嫌いだし、そういうのを見て民意を得たりとか思ってるっぽいバカお上も嫌いです。そういうバカどもの醜い争いを、適切なタイミングで現れて、適切なコメントで瞬時に収束させた市長の中の人だけが、あの場での見るべきものでありました。