合宿後記

彗星

彗星

発熱で寝込んでしまう。丸二日。当然ながら、各方面の仕事も完全キャンセル。定期考査直前のこの時期に、これは非常に痛い失点。
そもそもの発端は、予備校の蔵王合宿。今回の参加目的は、同僚の教員の人たちに対するカミングアウト達成にあったわけで、既にその前日にカミングアウト第三弾が完遂していた状況にあっては、いわば「最後の仕上げ」だったわけである。とはいえ、さんざん引っ張ってきたこの告白。いざ終わってみると、ホッとしてそれまでの疲れが何だかどっと出てしまったのでは。というのが、おそらくは第一の原因。
それと連関するが、またちょっと異なる意味合いで負荷をもたらしたものが、同僚たちとの内輪話。生臭すぎる話ゆえ詳細はここでは書けないのだが、とにかく自分がその浅はかな想像力で勝手に自明なものと想定してしまっていた前提が、実は全然前提なんかになりえない代物だったということが発覚して、しかも現在確固としてあるように思われるその足場が、実は明日突然崩壊しても全然おかしくないぐらいに、すでにぐらぐらな状態にあるということで、それもまた予想外のダメージだったのだということ。
さらにもうひとつ。既に「解決済み」だとばかり思っていたあること。それが全然そうじゃなかったんだという事実――「解決済み」だと思っていたことが「未解決」で、「未解決」だと思っていたことが「解決済み」だったということ――が自分なりに発覚して、それもまた上記のぐらぐらをさらに増幅させる働きを為したのだということ。ある種の覚悟を決めたらしい人たちの、何という凄みと美しさ。蔵王からの帰り道。山すそを駆け下りるその車内、Salyuの「彗星」が何だかひどく沁みた。覚悟を、決めねばなるまい。