『人生の教科書[ルール]』

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■読了文献。72冊目。藤原和博宮台真司『人生の教科書[ルール]』。宮台真司の最終章「なぜ人を殺してはいけないのか」が、何度読んでも素晴らしい。子どもたちの現状を「承認の供給不足」と喝破し、そのための処方箋として、?子どもの試行錯誤と自立的尊厳の育成が支援される教育制度の設計、?試行錯誤の前提となるような承認供給の場(居場所)の拡充、といったシステムの設計・構築を提唱する。自立的尊厳の育成を支援する教育が重視するのは、自立(independency)と相互貢献(contribution)。どんな状況でも自分のやりたいことが言語化できる(自立)。しかしそれを実現するためには他者の協力が必要で、他者に協力してもらうためには、こちらが他者に対して何らかの貢献を行うことが不可欠である。つまり、他人を助けないと自分がやりたいことさえ実現できない(相互貢献)、という考えかた。非常に明快でよい。居場所におけるコミュニケーションの前提をもこれくらいわかりやすく理論化していく必要あり。