『ジェンダー入門』

ジェンダー入門―知らないと恥ずかしい

ジェンダー入門―知らないと恥ずかしい

■読了文献。53冊目。加藤秀一ジェンダー入門:知らないと恥ずかしい』。「ジェンダー」の四つの用法として「性別そのもの・性自認・性差・性役割」をあげ、それぞれの概念が切り開いてくれる知的視界について丁寧に整理・解説してくれている。「規範」概念を用いて、「差別」と「区別」の違い――「認知的予期でなければならないところに規範的予期を持ち込むことが差別である」――や「男らしさ/女らしさ」――「「らしさ」とは、事実であるかのように偽装された規範」――を論じる件が面白かった。ここで示された議論は当然ながら、「大人/子ども」など、その他の役割規範について考える際の補助線としても有効。