『フィールドワークへの挑戦』

フィールドワークへの挑戦―“実践”人類学入門

フィールドワークへの挑戦―“実践”人類学入門

■読了文献。28冊目。菅原和孝編『フィールドワークへの挑戦:<実践>人類学入門』。著者(京大教授)が担当する授業「社会人類学調査演習」のなかで、受講学生たちがフィールドワークの成果として残していった何十本ものレポートをネタに、フィールドワーク初心者が出会うさまざまな問題や課題について懇切丁寧に実践的で具体的な助言を施していくという、異色のフィールドワーク入門。ものすごく面白い。こういう形で入門書を編むというそのアイディアがすばらしい、と思う。こういうものの、社会学版あるいは歴史学版が読みたい、と思う。ところで、本書を読んでますますわからなくなってしまったことがあって、それは、社会学と人類学の違いはどこにあるのか、ということ。自分の研究テーマに引きつけて言うなら、「不登校支援の社会学」や「居場所の社会学」はまあよく見かける題材だが、「不登校支援の人類学」やら「居場所の人類学」やらは何だか違和感ありである。引き続き、考えてみよう。