『8月のクリスマス』

8月のクリスマス スタンダード・エディション [DVD]

8月のクリスマス スタンダード・エディション [DVD]

■観た映画。10本目。『8月のクリスマス』。日本版のほう。余命あとわずかの主人公がその事実を周囲に隠したまま残された日々を淡々と過ごす。アノミー状況をパッシングする主人公の日常が、ただただ切ない。とはいえ、韓国版に比べ、日本版は過度に饒舌。観る側の感じかたを特定方向に限定するような仕掛けが付与されている。主人公の死という事実を女が理解する日本版より、女が主人公との死別を「単に振られただけ」と勘違いしたままで終わる韓国版のほうが好きだ。「わかりあいたい」みたいな気色悪い願望がすっぱり断念されている感じで、その潔さがよい。