『のだめカンタービレ』

のだめカンタービレ(3) (KC KISS)

のだめカンタービレ(3) (KC KISS)

■読んだ漫画。『のだめカンタービレ』3巻。既成の価値体系(クラシック界)において「劣位の序列」に位置づけられた場所(日本)にとどまらざるを得ない自分というものに直面して、「本来の自分はそんなちっぽけな存在ではない」という自意識と、実際にはそこにいる自分という現実とのズレに苦しむ千秋。そんな千秋が、その高すぎる自意識を単に下方修正して(夢を諦めて)「大人になる」というのではなく、高すぎる自意識は健全に保ちつつ、自分のいるその場所を「劣位」に位置づける既存の価値体系そのものを転倒あるいは解体するべく抗争していくという、「改革物語」の基本プロットがいよいよ本格展開(TV版ではその機軸が初回から明瞭)。そう考えると、「劣位の場所」と「過剰な自意識」のカップリングは「改革物語」を駆動させる基本要素なのだなと。