遠距離なんてこわくもなんともない

■10日(木)。福島市内の某フリースクールへ。そこのスタッフ研修WSに参加させていただく。参加者は、自分を入れて9名。参加していたボランティアの女子学生が、かつての講師時代の生徒だったことが発覚。びっくりだ。WSのテーマは、①自分たちの活動の価値が何であるかを改めて意識化・言語化し、仲間内で共有するということ、②それらの価値を外部の人びとに伝えていくための、「壁の向こう」に届く言葉を開発していくということ。そこの居場所での「学び」の具体相をKJ法で言語化し、それらの相互連関や序列づけを行うパートが非常に面白かったし、勉強にもなった。とりわけ、「KJ法で出された断片をその後どう料理するか」という、これまで気づけなかった自分の課題をはっきり自覚できたことが大きな収穫。気づかせてくれたRくんに感謝。終了後、この研修を企画立案した進行役のRくん、Sさんと「ふりかえり」のワークを。「軽く」といいながら、かなり深いふりかえりになった気が。こちらが企画するときにも厳しくチェックしてもらえるようにとの意図で、意識的にかなり厳しく批評。とはいえ、それができるということは嬉しかったことでもあって、3人の間に「共通言語」だとか「共通体験」だとかが構築されてあって、こちらがはいた言葉の意図やニュアンスが相手側にちゃんと届いている実感が持てたり、あるいは相手からのそれをほぼ正確に受け取れている感覚があったりするのでなければ、「キツい批評」なんてなし得ないわけで。コミュニケーションがちゃんと成立しているという感覚。そしてその快楽。それが確認できたことが最大の収穫だったと言っていいかもしれない。ありがとう。最後の最後、今回のWSに値段をつけようということで、各自、WSへの参加者であったと想定したときの自分が支払ってもいいと思える価格を提示。こちらでも、かなりの酷評。その算出根拠は、企画側の「共通言語」や「意図」が、WS参加者の側にきちんと伝わっていたり、「腑に落ちる」形で内面化されていたりする――研修を受けて、参加者の人びとが「新しい何かを獲得した」とか「よりよいものに自らが変容した」とかいった感覚をもつ――までには至っていなかったようなので。わたしたち(WS企画側)も「壁の向こう」に届く技術や言葉や方法や理論を構築していかなくちゃならない。次はこちらで何か企画してみよう。ともあれ、Rくん、Sさん、本当にお疲れさまでした。その後、打ち上げにも参加させていただく。他のスタッフのTさん、Gさんらとあれこれお話し。同世代があつまって、自分たちのつくりたい何かをともに創り上げようとしている人たち。そうか、これなんだな。自分がこの「居場所」業界に吸い寄せられ、安定とか結婚とか年相応の諸々とかとは無縁の生活を送り、周囲からは冷たい目とか哀れみのまなざしとかを投げかけられながらも、それでもこういう場所にとどまり続けたいと思う、いちばんの要素。自分にとっての「居場所づくり」のいちばんの「魅力」。そういうことを再確認できた気がする。激しく感謝。結局、ずいぶん遅くまで居座ってしまい、あわてて帰宅。本当にありがとうございました。

全国高校入試問題正解社会 (2007年受験用)

全国高校入試問題正解社会 (2007年受験用)

■11日(金)。予備校高等予備科2コマ。夏期講習最終日。テキストももうすぐ終了ゆえ、二学期の予告を口頭で。例年通り県立校入試の過去問を片っ端からやっていくつもりではあるんだけど、最後かもしれないということで、今年度は新しい手法を採用するよ、ということ。それは、今まで教員側がやってきた「解説」を、生徒の中の人たちにやってもらおうというもの。各所から悲鳴が上がる中で、「それ、おもしろそうだな」という声があったのを漏れは聞き逃しませんですたよ。終了後、県立図書館を経て、居場所スタッフ。感情労働。終了後、家庭教師1件。頭が痛かったので、帰宅してすぐ寝る。
■12日(土)。早朝、鶴岡へ。1〜3コマ、集中講義「ソーシャルマーケティング」。講義開始時間まで、必死で「演習Ⅰ」のレジュメを作成。お題は、「「子ども・若者の居場所」に見られる「援助する側/される側」の線引き問題:対人援助NPO/ボランティアと「権力」に関する考察」。「ソーシャルマーケティング」は、いよいよ「非営利組織のマーケティング」へ。本筋とは関係ない話題で出ていた「インド人の九九」の話が興味深かった。終了後、院ゼミ。第1回目のフィールド調査に関する経過報告と今後の作戦会議みたいな感じに。すごく楽しい。その後、中学生講座20、21回原稿の下準備だけ済ませ、帰路につく。遠くの空に見えた打ち上げ花火に得した気分に。ブクオフ@寒河江店を経由して帰宅。