『ボランティアという人間関係』/『「ボランティア」の文化社会学』/『教育の臨床エスノメソドロジー研究』

ボランティアという人間関係

ボランティアという人間関係

「ボランティア」の文化社会学

「ボランティア」の文化社会学

■読んだ本。62-64冊目。①『ボランティアという人間関係』、②『「ボランティア」の文化社会学』、③『教育の臨床エスノメソドロジー研究』。①②は、週末の「日本ボランティア学会」での報告準備のための参考文献。「ボランティアする側」と「される側」の非対称性についての先行研究を調べるため。①に載っていた「ボランティア拒否宣言」という詩がすさまじい。「ボランティア」ということに関連して「阪神淡路大震災」をめぐる記述が多いが、西日本と東日本(とりわけ東北)では、この「震災」の捉えかたにずいぶん大きな差があるんだなあ、などと今更ながら気づかされる。東北の人間にとっては、ブラウン管の向こうの、すなわち遠い異国の出来事でしかない。とうぜん、それをひとつの契機として盛りあがりを見せた「ボランティア」という現象も、東北では他所の国の事情にすぎないわけで。③は、7月23日の修論構想発表会に向けての準備のため。保健室のエスノメソッド記述の試み。「居場所のエスノメソドロジー」みたいなことをやりたい――できるかどうかはさておくとして――と思っているので、そのひとつの参照項、とりわけ分析や記述の方法論における参照可能な例として読んでみた。難解でよくは理解し切れなかったのだが、それでもすごく面白かった。「カウンセリング」や「授業」という制度的場面と「保健室」のそれとの比較分析の章が非常に興味深い。さてでは、「居場所」のそれには、どのような特徴が認められるのであろうか。